2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659332
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
中谷 武嗣 National Cardiovascular Center Research Institute, 臓器移植部, 部長 (60155752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 哲二 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (50243126)
藤里 俊哉 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60270732)
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Keywords | 血管移植 / 再生医療 / 石灰化 / 脱細胞化 |
Research Abstract |
血管、特に動脈移植ではしばしば移植後の石灰化が問題となる。本研究では、再生型の血管移植について、脱細胞化血管を用いた検討を行った。本年度は、種々の脱細胞化法により調製した説細胞化組織に対して、in vitroにて石灰化試験を実施した。用いた脱細胞化法は、トリプシンやTritonX-100、ドデシル硫酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウムを用いた化学洗浄処理と、冷間等方加圧装置を用いた10,000気圧下10分間の超高圧処理である。石灰化試験は、得られた説細胞化組織を疑似体液および血清に所定期間浸漬した後、Kossa染色にて組織学的に石灰化を評価した。その結果、化学洗浄処理による説細胞化では、いずれも組織末端では細胞核が観察されなかったが組織中心部にて細胞核の残存が観察され、十分に脱細胞化されていないことがわかった。しかしこの場合、組織内の石灰化は認められなかった。一方、超高圧処理は再現性良く完全な脱細胞化が可能であったが、石灰化試験では顕著な石灰化が認められた。この所見は、これまでの動物移植実験から得られたものと非常に類似していた。予備的な検討から、この原因の一つとしてエラスチンの変性が予測されたため、超高圧処理の洗浄法を改良したところ、石灰化を抑制することが可能であった。来年度は、ラットなどの小動物を用いた移植実験にて、石灰化の機序やその抑制方法について、詳細に検討する予定である。
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