2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝内結石症からの胆道発癌プロセスと糖鎖分子マーカー活用による肝内胆管癌の早期診断
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19659336
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
遠藤 隆志 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60223690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正田 純一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90241827)
兵頭 一之介 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60416469)
大河内 信弘 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40213673)
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Keywords | 胆道系悪性腫瘍 / レクチン / 糖鎖分子マーカー / 個別化医療 |
Research Abstract |
肝内胆管癌の診断のための分子マーカー探索を主たる目的とし,肝内胆管癌の組織切片中の局所領域(癌部および非癌部)における癸現糖鎖の差異を調べるために.レクチンアレイ解析を施行中である.肝内結石症合併型肝内胆管癌14例て癌蔀14例,非癌蔀14例),非合併型患者数29症例(癌部30例,非癌部33例)について,以下の手順に従い比較糖鎖プロファイリングを試みた.まず,各組織切片中の癌上皮と非癌上皮について.1mm2に相当する領域をスクラッチし、抗原賦活化後,0.5%NP40によりタンパク質の抽出を行った.得られたライセート中に存在するタンパク質をCy3標識し,レクチンアレイにアプライした.これらレクチンアレイ解析のデータを用いて,癌部と非癌部の比較解析を行ったところ,幾つかのレクチン種で有意な差が見出された.そこで,肝内胆管癌的診断マーカーの有力候補になると考えるレクチンAについで,正常肝(転移性肝癌);肝内胆管癌,混合型肝癌,肝細胞癌の標本における発現を組織化学にて検討した. レクチンAの発現率は.正常肝(32%).肝内胆管癌(88%).混合型肝癌(80%),肝細胞癌(0%)であり,肝内胆管癌においては高い発現率であった.このことよりレクチンAは,肝内胆管癌および混合型肝癌め診断マーカーとして有用である可能性が示唆された. 今後においては,同定されつつあるレクチンAのキャリアー分子について,癌上皮部分には高発現レベルを示し.正常上皮あるいは異型上皮においては低発現レベルを示す分子を抽出し,上記の組織標本によるvalidationを行い.肝内胆管癌の診断に有用であると考えられるキャリアー分子の絞り込みを行っていぐ予定である.さらに,臨床現場におげる生検,胆汁,血清標本を対象とする診断マーカーの検出系を構築していく計画である.
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Research Products
(3 results)