2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の冬眠タンパク誘導を利用した新たな肝保存装置の開発
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19659342
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
島田 光生 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10216070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居村 暁 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90380021)
森根 裕二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60398021)
金村 普史 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 診療助教 (20467814)
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Keywords | 肝保存 / 肝移植 / 冬眠タンパク / 冷凍(却)耐性物質 / 復温障害 |
Research Abstract |
背景・目的:野菜や魚・肉といった新鮮食物の内因性の“冬眠物質発現"効果を期待した冷蔵庫の要素技術(ワールドテクノ社;徳島市)に着目し、移植用臓器(輸血用血液含む)の内因性冷凍耐性蛋白の誘導を利用した新たな臓器保存装罐の効果を肝臓および血液(細胞)を用いて研究した。 材料・方法:臓器(肝)保存:Wister系雄性ラット6週齢を用いた。細胞(血液)保存:健常人の血液を用いた。 検討1.肝保存:全肝を摘出し、UW液を用いて従来型(単純浸漬)および新技術冷蔵保存装置を用いて4℃保存した後、リンス液を回収し肝細胞傷害の程度を評価した。 結果1.保存装置群で、リンス液中のAST、ALTは単純浸漬群より有意に低値であった(154±19vs197±13;P<0.05,67±5vs140±55;P<0.05、72時間保存)。組織学的には、単純浸漬群では肝細胞索の乱れや類洞開大を認めたが、保存装置群では組織学的変化は軽度であった。168時間保存後のリンス液中のアンモニアは保存装置群で有意に低値であった(P<0.05)。肝組織のATP量は保存後24、72時間後において保存装置群で有意に高値であった(24時間後;P=0.004、72時間後;P=0.005)。Heat shock proteinであるHO-1は24、72時間後保存装置群で有意に発現がみられた(P<0.05)。 検討2.血液保存:血液を単純浸漬および保存装置で保存し、以下につき検討する。検討項目:アンモニア、ATP、pH、乳酸。 結果2.アンモニアは保存装置群で有意に低値であった(7週間;P<0.05、9週間;917±38vs.1277±80;P<0.05)。 ATPは5週以降15週まで保存装置群で有意に良好な貯蔵効果を示した(P<0.005)。pHは5週間以降13週間まで保存装置群で有意に高値であった(P<0.05)。乳酸は9週間において保存装置群で有意に低値であり(P<0.05)、血液保存状態は通常保存と比べ良好であった。 考察:新保存装置は肝組織における細胞傷害を軽減することを確認した。今後、保存したラット肝臓グラフトを用いて肝移植を行い移植後生存率、血液生化学所見、病理組織学的所見について検討する予定である。血液保存の研究においては、現在ラットを用いて保存血液の輸血を行っており、生存率等を解析している。
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Research Products
(1 results)