2007 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌幹細胞の同定とニッチの機能角析〜膵癌の治療抵抗性を克服するために
Project/Area Number |
19659343
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水元 一博 Kyushu University, 大学病院, 准教授 (90253418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
当間 宏樹 九州大学, 大学病院, 助教 (80437780)
高畑 俊一 九州大学, 大学病院, 助教 (50437779)
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Keywords | 癌幹細胞 / 膵癌 / セルソート / 治療抵抗性 / 間質細胞 / 癌間相互作用 |
Research Abstract |
平成19年度は、癌幹細胞マーカーとしてすでに報告がある表面マーカーを用いて膵癌細胞株におけるFAcs解析を行い、さらにセルソーターにより特定の細胞集団を純化して、その癌幹細胞としての能力を検討した。in vitroの増殖に関しては、各マーカー陰性あるいは陽性細胞集団のそれぞれにおいて大きな違いを認めるものは無かった。次に、それぞれの細胞集団において、各種抗癌剤による治療効果検討したところ、一部の細胞集団において治療抵抗性が増強していることが確認された。また、抗癌剤治療抵抗性とは別に放射線治療に対する抵抗性に関しても他の癌腫において最近報告があり、膵癌においても同様に放射線治療にたいする抵抗性と癌幹細胞の関連を現在検討中である。さらに培養条件の変更によりマーカー陰性および陽性細胞集団においてその生存率に大きな違いがあり、これも癌幹細胞の形質と関連しているものと考え、その分子機序の解明を進めている。ニッチに関連する細胞の同定のため、primary cultureによりin vitroにおいて培養可能である間質細胞を複数樹立しており、この間質細胞と癌細胞との相互作用を共培養実験にて検討し、強力な相互作用を有する間質細胞を同定している。さらに、過去の報告をもとに幹細胞に関連する遺伝子群の発現を網羅的にqRT-PCRにて解析し、いくつかの興味深い分子を同定している。今後、これらの分子の癌幹細胞における役割をRNAiなどによる抑制実験により進めていく予定である。また、現在、各種細胞集団においてin vivoにおける腫瘍形成性などの検討を進めている。
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