2007 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶超弾性合金を用いた低侵襲僧房弁輪形成術の開発
Project/Area Number |
19659350
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石川 紀彦 Kanazawa University, 医学系研究科, 協力研究員 (50343182)
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Keywords | 形状記憶超弾性合金 / ロボット / 低侵襲 / 僧房弁 / 弁輪形成術 |
Research Abstract |
心臓弁膜症,特に僧房弁形成術における弁輪形成において,通常の胸骨正中切開による手術だけではなく内視鏡下手術あるいはロボット支援下の手術においても容易かつ短時間で施行可能な僧房弁輪形成術の確立を目指すものである。従来の僧房弁形成術は通常,僧帽弁の形成とともに,弁周囲の拡大を防ぐために人工弁輪を装着するが,材質は形状記憶超弾性合金(Ni-Ti合金)で僧房弁輪組織内に埋め込むタイプの人工弁輪の開発を目的とする。 1.人工弁輪の形状の検討:豚の心臓を用い,ステンレス製の針金を用い有効な弁輪形成を行うための埋め込み式人工弁輪の形状について検討し,C型とO型の2つのタイプを検討した,C型は固定力が弱く弁輪の形状を保持できないことが理由となりO型を採用した。 2.縫着方法の検討:プロトタイプを作製し,豚の心臓に対し埋め込み術を施行し,有用性を検討した。実際にロボットを用いブタ心臓への縫着実験を行った。ロボット鉗子(EndoWrist)を用い金属部から糸を介し接続された針を把持,僧房弁輪内組織に埋め込むように縫着し,針の縫着を進めることで金属部分は遅れて僧房弁輪内を進むものであり,ロボット鉗子を用いることで容易に行い得えることがわかった。針-糸-針金の構造を持つプロトタイプを作製の作成が難しく難渋したが,糸部分も針金を用いることで解決した。 3.埋め込み後の固定方法の検討:人工弁輪装着後の弁輪固定方法について現在検討中である。試行錯誤を繰り返している情況であり,現在はナイチノール性クリップを用いた固定方法と,手術用の糸を用いた固定方法でどちらの方がが固定力があるかを検討中。
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