2007 Fiscal Year Annual Research Report
バイオプラント組織工学による自家移植用血管・弁の皮下組織での生産技術の開発
Project/Area Number |
19659355
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
佐藤 隆幸 Kochi University, 医学部, 教授 (90205930)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿沼 由彦 高知大学, 医学部, 准教授 (60265866)
山崎 文靖 高知大学, 医学部附属病院, 助教 (10243841)
KATARE RAJESH 高知大学, 医学部, 助教 (20380313)
有川 幹彦 高知大学, 医学部, 助教 (20432817)
半田 武巳 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (00437716)
|
Keywords | 再生医学 / 細胞・組織 / トランスレーショナルリサーチ / バイオリアクター |
Research Abstract |
【目的】理想的なバイオマテリアル・グラフトとして、患者自身の細胞・組織からなり、患者とともに成長し得る自家移植用血管・弁を皮下の工場(バイオプラント)で生産させる組織工学技術の確立をめざし、実現可能性を探索した。 【方法】棒状のシリコンに、ニコチン、血管内皮成長因子、アンジオテンシン、エンドセリンなどをエオシン化ゼラチンを基材としてコーティングする。これらを、小型の鋳型はラットの皮下に埋め込み、大型の鋳型はウサギの皮下に埋め込み、カプセル化反応を経時的に観察した。 【結果】コントロール(生理食塩水)群の浸透圧ポンプを包む被膜は、20マイクロメートル程度のきわめて薄い壁厚で、壁を構成する細胞成分は均一で、しかもほとんどが線維芽細胞であった。一方、ニコチン群の浸透圧ポンプを包む被膜は、200マイクロメートルの壁厚を有し、vasa vasorum様の栄養血管をはじめ、内皮細胞、平滑筋細胞なども認められた。8週間後には、ニコチン群の浸透圧ポンプを包む被膜には、壁厚600マイクロメートルの自己組織化された血管壁類似の組織が見られた。以上のようなことから、自己組織化を促進する生理活性物質としてニコチンが有用であると考えられた。他の薬剤には、このような効果は認められなかった。 【結論】探索した薬剤中、ニコチンが最も有効に、血管壁の壁厚増加と血管内皮細胞の配列制御に有効であった。
|
Research Products
(25 results)