2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659362
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
岩間 亨 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (20303498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副田 明男 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (20444276)
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Keywords | 脳腫瘍幹細胞 / EGF / EGF受容体 |
Research Abstract |
神経幹細胞及び脳腫瘍幹細胞は成長因子であるEGF,FGFにて浮遊培養が可能であるが、VEGF,PDGF,HGF等の細胞増殖因子の役割は明らかでなかった。我々はこれらの増殖因子が脳腫瘍幹細胞に与える影響を調べ、EGFが脳腫瘍幹細胞における幹細胞の特性を維持する主要な要因であることを明らかにした。EGFは単独で脳腫瘍幹細胞の自己複製/増殖に関与しており、脳腫瘍幹細胞のマーカーであるCD133陽性細胞の増殖をコントロールしている。また、反対にEGF受容体抗体であるイレッサは脳腫瘍幹細胞の自己複製/増殖を抑え、またCD133陽性細胞を抑制することにより脳腫瘍幹細胞をアポトーシスへ導いた。EGF-EGF受容体から細胞応答へのメカニズムは主に以下の3つの経路が関与していると考えられている。1)P13k/Akt pathway 2)ERK/MAPK pathway 3)STAT3 pathway我々はこれらの経路に対する特異的抗体を用いるなどして、P13k/Akt pathway、ERK/MAPK pathwayが、EGF-EGF受容体の下流経路として脳腫瘍幹細胞の増殖に関与することを明らかにした。19年度の研究結果により、細胞株及び培養条件によりイレッサの感受性は異なり、EGF受容体の変異やPTENをはじめとした癌遺伝子、癌抑制遺伝子の関与が示唆された。今後、更に脳腫瘍幹細胞におけるEGF及びその受容体の役割をin vivoにおいて明らかにし、イレッサ等の感受性の差異となっている背景を探求したい。感受性の差異の原因遺伝子に関してはEGFR variant III,PTEN,EGFR amplification等が関与していると考えられ、症例を重ねることにより明らかとなると思われる。
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