2008 Fiscal Year Annual Research Report
WT1免疫療法におけるCD4陽性ヘルパーT細胞の解析と機能増強法の探索
Project/Area Number |
19659366
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
泉本 修一 Hyogo College of Medicine, 医学部, 准教授 (40324769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 直哉 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90315945)
貴島 晴彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10332743)
坪井 昭博 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (10372608)
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Keywords | 悪性グリオーマ / 膠芽腫 / WT1 / 免疫療法 / ヘルパーT細胞 |
Research Abstract |
WT1がんワクチン療法において、CD4陽性のヘルパーT細胞(Th)を介しての応答がCD8陽性キラーT細胞に呼応して反応することが重要となる。本研究では、その詳細な機能解析と機能増強法の追求により強力なWT1免疫療法を展開することを目的としている。平成20年度は、同定したWT1特異的CD4陽性T細胞を誘導できるHLA-DRB1^*0405特異的MHC class II拘束性WT1ペプチド、WT1_<332>(KRYFKLSHLQMHSRKH)を用いていて、以下の研究結果を得た。(1)WT1_<332>により、HLA-DRB1^*0405のタイプのみならずHLA-DRB1^*1501、HLA-DRB1^*1502、HLA-DRB1^*0901のタイプに対しても特異的CD4陽性T細胞の反応が誘導された。(2)これらのHLA class II拘束性WT1332特異的CD4陽性T細胞を株化することに成功し、培養上でWT1_<332>特異的CD4陽性T細胞株は、WT1_<332>の刺激によりサイトカインのうちINF-γを産生したが、IL-4やIL-10は誘導されなかった。すなわちTh-1タイプのプロファイルであることがわかった。(3)さらにHLA-DRB1^*1501、HLA-DRB1^*1502ともにWT1_<332>特異的CD4陽性T細胞はWT1発現細胞に反応することを同定し、WT1_<332>ペプチドが免疫応答に関与していることを確認した。すなわちWT1_<332>2ペプチドが"promiscuous"に反応するWT1特異的ヘルパーエピトープであり、今後HLA-class I拘束性のWT1ペプチドと組み合わせて、さまざまなHLA-class IIタイプでWT1特異的ヘルパーペプチドとしてのがんワクチン療法の相乗効果が考えられた。
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