2007 Fiscal Year Annual Research Report
アストロサイトの分裂制御因子としてのB-FABP:グリオーマ治療応用への可能性
Project/Area Number |
19659369
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
澤田 知夫 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 講師 (90187295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 祐二 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20292211)
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Keywords | 細胞・組織 / 脳・神経 / 癌 / 脂質 / 増殖制御 |
Research Abstract |
今年度、初代培養アストロサイトを用いてB-EABP分子の細胞内分布・細胞骨格との位置的関連性を解析し、また、アストロサイトの細胞周期や分化状態とB-EABPの発現量との関係を解析した。 1)正常12週令のC57BL/6マウスの大脳皮質で、アストロサイト、ミクログリア、幼若オリゴデンドロサイト、神経細胞の核など各種マーカーとB-FABPとの共染色を行い、B-FABPはアストロサイトに発現し、マウス大脳皮質のミクログリア、オリゴデンドロサイト、神経細胞には発現しないことを確認した。 2)生直後の野生型およびB-FABPマウスの大脳皮質から分離培養した初代培養アストロサイトを樹立し、培養アストロサイトにおいてB-FABPのmRNA発現と核および細胞質におけるB-FABPタンパク質の発現について確認した。 3)継代4日・7日後の培養アストロサイトにおいて、B-FABPとGFAPとの共染色を行い、培養4日後と培養7日後の突起が伸長したアストロサイトでも、B-FABPは同様に細胞質、細胞膜、核に分布することを確認した。 4)継代3日後の野生型由来初代培養アストロサイトにおいて、B-FABPは未熟な細胞よりBrdU陰性の大きな細胞で強く発現していた。しかし、B-FABPノックアウト初代培養アストロサイトでは、野生型に比較して分裂期の細胞が少ない傾向がみられた。 以上、マウス大脳皮質でもB-FABP発現がアストロサイトに限局していることを確認した後に、大脳皮質由来の培養アストロサイトを樹立し、継代できることを確認した上で、B-FABPメッセージと蛋白質の発現パターンに関する情報を得ることが出来た。
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Research Products
(4 results)