2008 Fiscal Year Annual Research Report
アストロサイトの分裂制御因子としてのB-FABP:グリオーマ治療応用への可能性
Project/Area Number |
19659369
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
澤田 知夫 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 講師 (90187295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 祐二 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20292211)
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Keywords | B-FABP / アストロサイト / 初代培養 / 脂肪酸 / ノックアウトマウス / 細胞増殖 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
脂肪酸結合蛋白質(FABP)は長鎖脂肪酸と結合、可溶化し、細胞膜や細胞小器官や核に運搬する。本研究では、FABPファミリーのうちアストロサイトや一部のグリオーマ細胞に豊富に存在するB-FABPが、細胞の増殖・遊走などの形質に関与しているかどうか検討するために、野生型およびB-FABP-KO(B-KO)のC57BL/6マウスから得た初代培養アストロサイトを用いてB-FABP欠損の影響を解析した。 野生型マウスから得た培養アストロサイトで、培養10日後までのB-FABP発現が確認できた。B-KOアストロサイトの増殖、遊走、接着を解析したところ、B-KOアストロサイトではBrdU取込みが野生型より低く、培養皿との接着能も野生型より低かった。また、遊走能のっいては差が検出できなかった。 次に申請者らは、B-FABPがどのような経路で細胞の増殖、接着に影響を与えるのかについて検討した。 洲Aマイクロアレイ解析によりB-KOアストロサイトでのconnexin43発現の低下が示唆されたが、蛋白量の差は検出できなかった。脂肪酸が関連する代謝・シグナル伝達系の分子については、DNAマイクロアレイ解析でApoEの発現低下が示されたが、蛋白量としての低下は確認できなかった。転写因子PPARα,β,γ、およびCD36とLox-2について、DNAマイクロアレイ解析も蛋白質の解析も共に、それらがほとんど初代培養アストロサイトに発現しないことを示した。 B-FABPとNFkBシグナル伝達系との関連性をウェスタンブロットにより検討した結果、NFkB活性を制御するIkBαのリン酸化がB-KOアストロサイトで低下しており、B-FABP欠損によるアストロサイト分裂能の減少がNFKBの活性低下によりもたらされている可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)