2007 Fiscal Year Annual Research Report
悪性骨軟部腫瘍の光線力学療法における新たな腫瘍親和性光感受性物質の開発
Project/Area Number |
19659377
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
楠崎 克之 Mie University, 医学部附属病院, 診療等従事者 (30177993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松峰 昭彦 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00335118)
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Keywords | メチレンブルー / 光線力学的療法 / 悪性骨軟部腫瘍 / 光感受性物質 / アクリジンオレンジ |
Research Abstract |
現在われわれが行っている,光感受性物質であるアクリジンオレンジを用いた光線力学療法は悪性骨軟部腫瘍において良好な成績をおさめている。今回は新たな腫瘍親和性光感受性物質を用いた光線力学的療法の開発を目的に実験をおこなった。 まず、Invitroにおいて骨肉腫細胞株を使用して,メチレンブルー(MB)における光線力学的療法を行い,その効果を検討した。LM8細胞を培養後に1.0ug/m1のMBを添加し,Xenonランプ100001×10分間の光線照射を行った。30分後MB freeのmediumに移し,光線照射後1,2,3時間後にTUNEL assayを行った。結果は,コントロール群に比べて優位に殺細胞効果を認めた。MBを添加したが照射を行わなかった細胞も一部死滅しており,MB辞退の毒性も認めた。またMB添加後,5Gyの低容量放射線照射を行ったが,殺細胞効果は認めていないことが判明した。以上より,MBは,In vitroにおいて光線力学的療法では殺細胞効果を認めたが,MBそのものに毒性があること,放射線には感受性を示さない可能性が高いことなどより,悪性骨軟部腫瘍に対しての臨床応用は困難であると結論した。次にLM8細胞をCH3マウスの皮下に移植し、移植した腫瘍が8mmになったところで12.5mg/kgのMBを腹腔内に投与した。2時間後にXenonランプ100001×l5分間の光線照射を行った群と、照射しない群において腫瘍の増殖抑制について検討した。その結果,2群ともに腫瘍増殖抑制効果を認めなかった。この結果より、In vivaにおいてもMBは光線力学的療法に適さない物質であると考えられた。現在同様の手法で各種の生体染色可能な色素を中心に光感受性および殺細胞効果について検討している。
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Research Products
(11 results)