2007 Fiscal Year Annual Research Report
Span80ベシクルを用いた悪性骨・軟部腫瘍治療の萌芽的研究
Project/Area Number |
19659381
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坂山 憲史 Ehime University, 医学部附属病院, 講師 (00284399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升野 博志 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (20116974)
木谷 彰岐 愛媛大学, 医学部附属病院, 専攻医 (60380234)
宮崎 龍彦 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80239384)
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Keywords | 非イオン性界面活性剤 / レクチン / 骨肉腫 / Drug Delivery System / 糖鎖 / リポソーム / ベシクル / アポトーシス |
Research Abstract |
目的 本研究は、海藻由来の新規レクチンであるEucheuma serra agglutinin(ESA)を、癌標的・攻撃物質として利用し、Drug Delivery System(DDS)における悪性骨・軟部腫瘍治療法の開発を目指すものである。すなわちESAをDDSの薬物運搬体である非イオン性界面活性生剤(Span80)ベシクル上に固定化する腫瘍標的リガンドとして利用する場合を考慮して、ESAのヒト骨肉腫細胞株(Osteosarcoma Takase:OST)に対する特異結合性、抗癌活性の有無、アポトーシなどについて検討した。さらに、担癌マウスを用いた、上記DDS系での抗腫瘍実験も行った。 結果 まず、in vitroにおいて、450mlのESA(0.137mg/ml)をOST細胞(2.0×10^<5> cells)に添加するとOSTは48時間後には約25%死滅し、その細胞死がアポトーシスであることを、フローサイトメトリー(FACS)により確認した。さらに、FITCで蛍光ラベルしたESAを用いて、制限酵素によるOST細胞表面の糖鎖切断の有無によるESAのOST細胞への特異結合性の変化を、FACS解析、および蛍光顕微鏡観察により検討した。その結果、ESAがOSTの糖鎖構造を分子認識して結合していることを明らかにし、ESAが骨肉腫に対する特異結合リガンドとして有効であることを指摘した。以上の結果をふまえ、in vivo実験として、抗癌剤イホマイド、フリーのESA、イホマイド内包ESA固定化ベシクルなどを、それぞれマウス頭部にOSTを移植した担癌ヌードマウスに、眼窩静脈より投与して、腫瘍体積変化を測定し、抗癌活性を検討した。その結果、イホマイド内包ESA固定化ベシクルが最もその腫瘍を抑制する結果となった。このように、ESA固定化Span80ベシクルの、DDS悪性骨・軟部腫瘍治療への臨床応用が示唆された。
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Research Products
(4 results)