2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制遺伝子Ankrd15欠損マウスにおける機能解析
Project/Area Number |
19659392
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
橋本 徳 National Research Institute for Child Health and Development, 移植・外科研究部, 共同研究員 (80392489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺原 弘嗣 国立成育医療センター(研究所), 移植・外科研究部, 部長 (70294460)
工藤 寛枝 国立成育医療センター(研究所), 移植・外科研究部, 共同研究員 (20425713)
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Keywords | 発生・分化 / 発現制御 / 再生医学 / 応用動物 / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、癌抑制遺伝子Ankrd15の[I]ノックインマウス解析による機能解明と、[II]Ankrd15のパートナーの同定と機能解明を目的として行っている。本年度は、ヒトホモログのKank-Sにあたる、短いバリアントのAnkrd15-Sの第一エクソンにEGFPの変異体であるVenus遺伝子を導入した'ノックイン'マウスを作製し、ホモマウスを取得した。 得られたノックインマウス(Ankrd15欠損マウス)の12.5目目胚およびヘテロマウスの12.5目日胚をB励起下で観察したところ、Venusの発現領域は、Ankrd15のprobeを用いたwhole mount in situハイブリダイゼーションの結果と一致した。さらに、ノックインマウスの各組織からtotal RNAを採取し、RT-PCR解析を行ったところ、Ankrd15-S遺伝子の発現が完全に消失していることを確認した。続いて、胚性期のノックインマウスと野生型マウスをヘマトキシリン・エオシン染色による組織学的解析で比較したところ、少なくとも18.5日目までの発生過程において目立った異常は見られなかった。さらに、癌抑制遺伝子は、通常は正常細胞の細胞周期、分化、アポトーシスなどの制御に重要な働きをしていることが知られているため、組織学的解析と平行して、TUNNEL解析による細胞死の有無を解析した。その結果、少なくとも胚性期においては、当該ノックインマウスと同腹仔の野生型マウスとの間に、優位な差がないことが明らかになった。 来年度も研究計画書に沿って、細胞の運動性、活性化、増殖、接触、膜の特殊領域の維持などの活性に関わる解析を行うとともに、Ankrd15のパートナー因子のスクリーニングを行い、分化・増殖・癌発生に関わるシグナルカスケードの解析を行う。
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