2007 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪由来細胞を用いた骨・軟骨3次元組織の構築に関する研究
Project/Area Number |
19659393
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
植村 寿公 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (60176641)
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Keywords | 脂肪 / 間葉系幹細胞 / 骨・軟骨 / cbfal |
Research Abstract |
平成19年度は「脂肪由来間葉系幹細胞のCbfal過剰発現による骨芽細胞への分化、骨形成促進効果に関する研究」を主に行った。脂肪由来間葉系幹細胞は骨分化誘導因子で骨芽細胞様細胞に分化することが分かっているが弐、分化度は弱く、生体内に移植すると脱分化する。強く骨芽細胞に分化誘導し、骨再生医療に使用可能な細胞をえるために、間葉系幹細胞から骨芽細胞への強力な転写因子であるCbfalを遺伝子導入することにより、骨芽細胞に強く分化した細胞を得ることを目的として以下の実験を行った。 (1)初代培養脂肪細胞(FAT)を8週令のFisherラット(♂)の腹部皮下脂肪から採取して、コラゲナーゼ処理により細 胞を分散させた。 (2)脂肪へ分化誘導するAdipogenic medium,骨芽細胞へ分化誘導するOsteogenic Mediumで培養後、細胞数の時間変化、骨芽細胞への分化能を見るために、アルカリフォスファターゼ活性、オステオカルシン量、アリザリンレッド染色、脂肪細胞への分化能を見るために、オイルレッド染色、グリセロールー3ーリン酸デヒドロゲナーゼ活性などを測定した。結果は、adipogenic mediumでは、当然脂肪細胞への分化が見られ、 osteogenic mediumでは骨芽細胞への誘導が見られた。 (3)次に、Cbfal遺伝子の組み換えアデノウイルスを、MOI(multiplicity of Infection)=100〜500程度で感染させ、Northern blotによりCbfalの発現、そしてその過剰発現によるオステオカルシン発現の変化、骨芽細胞への分化能、骨形成能などを評価した。Cbfal遺伝子導入により、増殖性が充進し、アルカリフォスファターゼ活性、オステオカルシン量、カルシウム量、アリザリンレッド染色の結果から、強く骨芽細胞に分化誘導されていることが示唆され、ラット皮下への移植実験を始めた。現在経過観察中である。
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Research Products
(1 results)