2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659400
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
武田 吉正 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30294466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 潔 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40108171)
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Keywords | ビリルビン / 透析 / 光化学反応 / 光線療法 |
Research Abstract |
非抱合型ビリルビンは神経毒性があり、肝不全患者の脳圧亢進や非可逆的神経細胞障害の原因の一つとなっている。本研究は光線療法透析カラムを作成し、透析液中ヘビリルビンを排出することを目的としている。平成19年度はphotochemical reactionに最適な反応時間を求め、反応に必要なカラム長を決定した。 東芝ライテック製蛍光灯(FL20S-BW、照度224,000ルクス)を用い(ZZ)-bilirubinに光を照射した。照射後の非抱合型ビリルビンを解析し、水溶性ビリルビン、(EZ)-cyclobilirubin、(EE)-cyclobilirubin、(EZ)-bilirubin、(EE)-bilirubin、を分離、定量した。分離にC18の逆相カラムを使用し、検出器にフォトダイオードアレイを用いた。キャリアにはdimethylformamideとacetonitrileを用い、0-34%の比率で濃度勾配をかけた。 上記実験系により反応時間と水溶性ビリルビンの産生量の関係式を作成した。photochemical reactionは両方向性の反応であるため、照射時間の延長により異性体同士が平衡状態に達する。従って関係式は上に凸の対数式をとる。水溶性ビリルビンである(EZ)-cyclobilirubinの増加量はシグモイドカーブを示し50%増加に要する時間は9分30秒と算出された。透析カラム内の血液容量は90-120mlなので、100ml/分の血液流速ではカラム内に血液は1分間存在し、50ml/分の血液流速ではカラム内に血液は2分間存在する。2分以上の反応時間が必要な場合はカラム長の延長が必要になる。本研究では9分30秒なので照射光量の増加、もしくは照射波長の変更が必要であると考えられた。
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