2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659402
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上村 裕一 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30211189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恒吉 勇男 宮崎大学, 医学部, 教授 (90301390)
島ノ江 憲剛 九州大学, 大学院・総合理工学府, 教授 (10274531)
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Keywords | プロポフォール / 半導体ガスセンサ / 固体電解質ガスセンサ / パーミエーター / ナノチューブ / 酸化物イオン導電体 / ペロブスカイト / メソポーラス |
Research Abstract |
H19年度は、新規なガスであるプロポフォールのガス化装置の作製および性能確認、ならびに半導体ガスセンサおよび固体電解質ガスセンサを用いた基本的なガス検知特性について検討を行った。 まず、麻酔剤であるプロポフォールを液体からガス化し、任意の濃度に希釈できるガス混合システムについてを検討した。本研究で申請・購入したパーミエーターを用い、プロポフォールを特定の温度にて一定速度で揮発させ、合成空気と混合し、ppmレベルの混合ガスを調製できることを確認した。 半導体ガスセンサでは、酸化チタン粉末を水熱処理により直径数十nmのナノチューブを調製し、これをスクリーン印刷により製膜したメソポーラスなセンサ膜を用いて、分子径が大きいトルエンについてガス検知特性を調べたところ、水素ガスや一酸化炭素ガスよりも高い感度で検知できることがわかった。通常、半導体ガスセンサでは水素ガスや一酸化炭素ガスなどの分子径が小さいガスに対して高い感度を示すが、本センサではナノチューブを用いることで多孔性が向上しており、一般に検知が難しいとされる大きな分子のトルエンを検知できたと考えられる。そこで、同様に分子径が大きいプロポフォールについても調べたところ、数十ppmレベル程度ではあるが、センサ応答を示すことがわかった。 一方、固体電解質ガスセンサでは、BiCuVOx系酸化物イオン導電体にLaSrCo系ペロブスカイト型酸化物を検知電極とする有機ガスセンサについて検討し、プロポフォールと同じ官能基をもつアルコール類に対して、本センサはサブppmレベルの感度を有することが明らかになった。 今後、ガス化装置の精度を高め、各センサの感度および選択性を向上させるために触媒の担持について検討を行う予定である。
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