2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛治療薬の遺伝子多型解析によるテーラーメイド選定法の開発
Project/Area Number |
19659405
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
池田 和隆 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (60281656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井関 雅子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80221076)
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Keywords | 薬剤反応性 / ゲノム / 薬理学 / 脳神経疾患 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
本研究では、神経因性疹痛の発症および分類に関わる遺伝子多型の同定を目的としている。具体的には、神経因性疼痛の中で発症原因が特定されていて症例数が多い帯状庖疹後神経痛に焦点を絞って研究を行う。帯状庖疹から帯状庖疹後神経痛の移行の有無およびドラッグチャレンジテストなどの臨床的検討により治療方針が分類されたグループ間において、ミューオピオイド受容体、G蛋白質活性型内向き整流性カリウムチャネル、および神経可塑性で重要な分子であるNMDA受容体チャネルの遺伝子多型の頻度に差があるか否0かの解明を目指している。平成19年度は、3年計画の1年目として、帯状萢疹患者および帯状庖疹後神経痛患者からゲノムDNAの提供を受けて本研究を推進するための研究計画書を、順天堂大学倫理委員会に諮り、微修正の後、承認を受けた。また、ドラッグチャレンジテストをより体系的に実施した。一方遺伝子解析に関しては、帯状庖疹後神経痛発症脆弱性や帯状庖疹後神経痛奏効薬の個人差と関連することが予想される遺伝子多型20以上について、多型判定法を確立した。これらにより、発症原因が明らかであるにも関わらず症状に大きな個人差がある帯状庖疹後神経痛の遺伝子メカニズムの解明、およびテーラーメイド神経因性疼痛治療に向けた研究の体制が整えられた。神経因性疼痛は、深刻な病態であり患者数も多いが、その発症メカニズムには不明な点が多く、難治性である上、奏功する治療法方法が患者個々人で異なる。神経因性疼痛の遺伝子メカニズムの解明とテーラーメイド治療に向けた研究体制が小規模とはいえ整ったことは意義深いと考えられる。
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