2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規培養担体を用いた前立腺がん細胞と組織との相互作用の解析法の樹立と応用
Project/Area Number |
19659407
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡邉 昌俊 Yokohama National University, 大学院・工学(系)研究科(研究院), 教授 (90273383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹澤 俊明 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝子組換え家畜センター, 主任研究官 (50301297)
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Keywords | 前立腺がん / 病理組織切片 / 培養担体 / 微小環境 |
Research Abstract |
本研究は、組織特異的な細胞増殖・分化を調節する空間依存性の微小環境が残存する可能性のある組織切片に着目し,前立腺がん細胞と切片基質間の相互作用を解析できる系を確立することを目的とした。ラット(SD rat,7w,male)の各種臓器の凍結切片を作製し,その切片を担体としてヒト前立腺がん細胞株DU-145の培養実験を行った。平成20年度においては、特に計画である2.同種同所間の組織切片とがん細胞の相互作用の解析系における形態学的、免疫組織化学的、遺伝子レベルでの網羅的解析を行った。ただし、異種異所間での形態観察、遺伝子レベルの解析を中心に行った。前立腺がん細胞は臓器により接着の具合が異なり、引き続いての形態変化も異なった。例えば、単位面積当たりのがん細胞接着数は前立腺、肺、腎臓において増加するも、骨髄、大脳において減少する事を認めた。これはDU-145が大脳転移株であることを考えると奇妙な結果とも考えられた。加えて、転移に関係する遺伝子の中で、前立腺がん細胞におけるIntegurin alpha2の発現が切片担体により異なり、特に肺組織を担体にした場合に高発現を認めた。E-cadherinの発現に関しては担体により発現量が下がる場合があり、上昇する事は認められなかった。本研究より、前立腺がん細胞と切片担体との相互作用から接着・形態変化・転移に関わる遺伝子の発現量の変化を認め、このモデルは転移過程を探るモデルになる可能性を見いだした。
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Research Products
(6 results)