2007 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺肥大症の細胞増殖機構の解明と遺伝子治療に向けての基礎研究
Project/Area Number |
19659416
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小島 祥敬 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 助教 (60305539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 昌一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50225869)
窪田 泰江 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00381830)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30122047)
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Keywords | 前立腺肥大症 / 細胞増殖 / α1受容体 / モデルラット / マイクロアレイ |
Research Abstract |
1)病理学的前立腺肥大症モデルラットの作製:妊娠20日目の雌SDラットから胎仔を採取。雄のみを選定し、顕微鏡下に胎仔の泌尿生殖洞を摘除。10%fetal bovine serum入りのRPMI1670溶液中で泌尿生殖洞を十分に洗浄したのち、7週齢の雄SDラットの前立腺腹側被膜下に顕微鏡下に移植。移植後8週間後にラットを屠殺し前立腺を摘除し前立腺肥大症モデルラットを作製した。前立腺は病理学的にヒト前立腺肥大症モデルに極めて類似したモデルとなった。 2)細胞増殖遺伝子の遺伝子発現プロファイリング:上記にて作製した病理学的前立腺肥大症モデルラット前立腺およびヒト前立腺よりtotal RNAを抽出しマイクロアレイを行った。前立腺肥大症において有意に高発現している遺伝子を約400遺伝子、低発現している遺伝子を1500遺伝子をピックアップした。この中でまずアドレナリン受容体に関連する遺伝子を調べたところ、有意に高発現している遺伝子としてα1d受容体が8倍に増加、有意に低発現している遺伝子としてα2b受容体およびβ2受容体がアキラかとなった。これらは定量的RT-PCRにより発現量が同様に変化していることがわかった。α1d受容体に比較的親和性の高いナフトピジルによって、in vitroおよびin vivo(上記モデルラットおよびヒト前立腺肥大症)において前立腺の増殖をアポトーシスの関与なく抑制していることがわかった。これらのことよりα1d受容体が前立腺の増殖機構に深く関与していることが推定された。今後マイクロアレイでピックアップされたいくつかの遺伝子に焦点を絞ってさらに機能解析を進める予定である。
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Research Products
(3 results)