2007 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍特異的増殖ウイルスを用いた婦人科癌細胞の生体内イメージングシステムの構築
Project/Area Number |
19659420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
京 哲 Kanazawa University, 医学系研究科, 講師 (50272969)
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Keywords | テロメレース / hTERT / アデノウィルス / GFP / 癌診断 |
Research Abstract |
我々は癌細胞に特異的に発現し不死化能を付与する酵素テロメレース(human telomerase reverse transcriptase(hTERT))のプロモーターをクローニングすることに成功した。このプロモーターはこれまで報告されてきたどのプロモーターよりも癌細胞特異性が高くかつ,強力であった。アデノウイルスの複製には自らのEIA,E1B遺伝子の発現を必要とするが,これらの遺伝子の上流にhTERTプロモーターを組み込むと,E1A,E1B遺伝子がテロメレース陽性の癌細胞でのみ発現し,癌細胞選択的にウイルスが複製する。このウイルスはTelomerase-specific Replication Adenovirus(TRAD)と呼ばれる。TRADの腫瘍特異性は治療や診断にも大いに利用できる可能性がある。我々はTRADにGFP遺伝子を組み込んだTRAD-GFPを開発した。このウイルスは癌細胞で複製した結果,GFP遺伝子が過剰発現することにより蛍光を発する。今回我々はマウスモデルを用いてTRAD-GFPを腫瘍に注入し,原発巣のみならず転移リンパ節,特にセンチネルリンパ節の癌細胞をvisualizeすること,さらには他の転移巣,播種病巣の蛍光の検出により術中の転移癌細胞の検出が可能であることを明らかにした。
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