2007 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的シグナローム解析に基づくE-cellを用いた癌転移シミュレーションの構築
Project/Area Number |
19659424
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
金山 清二 Nara Medical University, 医学部, 助教 (10423914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40178330)
春田 祥治 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30448766)
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Keywords | 癌転移 / シグナル伝達 / 分子標的 |
Research Abstract |
細胞シミュレーションとは網羅的な細胞の実験解析から得られる膨大なデータや、これまでに蓄積されてきたデータをもとに、細胞の素過程をコンピュータ内で統合し、広範囲な細胞のプロセスを再現することでこれを解析しようというものである。本研究は汎用細胞シミュレーションソフトE-cellを用い、癌転移を規定あるいは制御する因子を細胞内シグナル伝達系の制御で捕らえるための研究である。我々はこれをSignalome(シグナローム)と名づけた。網羅的細胞内シグナル伝達の生化学的計測技術に基づいた精密細胞内シグナル伝達シミュレーションモデル(E-cellシグナローム)の開発を行う。網羅的細胞内シグナル伝達の生化学的計測技術に基づいた精密細胞内シグナル伝達シミュレーションモデル(E-cellシグナローム)の開発を行った。まず、我々が研究している子宮内膜症の癌化の細胞内シグナル伝達機構を解明した。 ・癌転移に特化したE-cellシグナロームを開発するため、今までのwet laboratoryデータを蓄積し、浸潤・転移にもっとも寄与する因子の解析を臨床材料を用いて実行した結果、候補遺伝子としてHepatocyte nuclear factor-1beta(HNF-1β)が選択された。この上流遺伝子を修飾する候補物質を探索した結果、鉄であることが判明した。wet laboratory実験結果をdry laboratory実験結果に近似させる努力をしている。
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