2008 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌における癌幹細胞マーカーの検索と癌幹細胞分化誘導薬の開発
Project/Area Number |
19659427
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
岡本 愛光 Jikei University School of Medicine, 医学部, 准教授 (20204026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 聡 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60256401)
田中 忠夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50110929)
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Keywords | 卵巣癌 / 癌幹細胞 / 不死化細胞株 / cDNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
【目的】癌幹細胞マーカーに関与する遺伝子の検索のために正常卵巣上皮(OSE)、封入嚢腫(IC)、樹立した正常卵巣上皮不死化細胞株(IOSEC)を用いてMenchymal to Epithelial Transition(MET)の関与を検討した。さらにIOSECとそのprimary culture(PC)細胞間で発現が異なる遺伝子を包括的ヒトゲノム発現解析によりスクリーニングし、卵巣癌発生に関する遺伝子の検索を試みた。 【方法】インフォームド・コンセントの下に採取した子宮体癌手術症例9例のOSE(n=10)、正常卵管上皮(n=4)、IC(n=92)、およびSV40TAgで不死化したIOSEC(n=3)の形質を検索するために抗原マーカー(Calretinin, HBME-1, vimentin, EMA, Cytokertin)の発現を免疫染色法で検討した。さらにSV40TAgで不死化する前のPCとIOSECからtotal RNAを抽出し、約33,000遺伝子の発現プロファイリングを行った。 【成績】1)種々の抗原発現よりOSEは中皮細胞の性格を示し、ICは中皮細胞の性格を失いつつ、単層円柱上皮細胞の性格を獲得しつつある染色結果となった。2)同様にIOSECにおいてもICに類似した染色結果が得られた。3)PCとIOSEC間で有意水準5%で発現差が認められた遺伝子は104種類であった。 【結論】ICはMET過程にあることが示唆され、IOSECはICと類似したMET過程にあるモデルとなることが示唆された。このモデルを用いてスクリーニングされた104遺伝子の中に卵巣癌発生に関する遺伝子候補がある可能性が示唆された。現在卵巣癌組織よりCD133強陽性細胞株を樹立に成功しており、その細胞株も用い遺伝子を選択する予定である。
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[Presentation] アレイ解析 臨床応用を目指して漿液性卵巣癌における包括的ヒトゲノム発現解析によるPaclitaxel(PTX)耐性関連遺伝子のスクリーニングとその臨床応用2008
Author(s)
岡本愛光, 浦島充佳, 二階堂孝, 高尾美穂, 斉藤美里, 高倉聡, 矢内原臨, 山田恭輔, 磯西成治, 安田允, 落合和徳, 田中忠夫
Organizer
第18回日本サイトメトリー学会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2008-06-29