2007 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌のシスプラチン耐性回避のためのシスプラチン・テネイシン抗体併用療法の研究
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19659429
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Research Institution | Institute for Animal Reproduction |
Principal Investigator |
日下部 守昭 Institute for Animal Reproduction, 実験動物研究センター, 主席研究員 (60153277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 尚詞 東京慈恵医科大学, 医学部, 准教授 (80189498)
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Keywords | 外科 / 生体分子 / 細胞外マトリックス / テネイシン / 抗体療法 / 細胞間相互作用 / 抗がん剤 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
治療法を検討するため以下の基礎的な解析を行なった。 1.腫瘍内のテネイシン(TN)分布(免疫組織化学染色):C13及び2008腫瘍中のTNの局在を免疫組織染色によって解析した。2008では、腫瘍内の結合組織に一致して局在していた。しかし、腫瘍周辺ではヒトTNは全く観察されず、マウスTNが主体であった。また、ヒトTNは、腫瘍の内部に限局していた。一方、C13腫瘍では、マウスTNが、腫瘍内外の結合組織部位に観察できるものの、ヒトTNは、C13腫瘍のごくごく一部に微量に観察できるだけであり、C13腫瘍そのものはヒトTNを殆ど産生していないことが分かった。 2.各種ヒト癌細胞のシスプラチン感受性試験:シスプラチン添加培地によって各々の細胞を培養し、その状態を観察し、感受性の有無を検討した。以下の結果であった。感受性細胞(2008、A431、A375):培養3日目で全細胞が死滅、耐性細胞(C13):培養3日後も増殖を続けている、偽耐性細胞(KPL1、KPL3C、KPL4):培養3日後も顕著な細胞死は観察できないが、生存細胞は、細胞密度があまり高くならず増殖をしていないようであった。 3.2008及びC13細胞移植腫瘍に対する、シスプラチンの腫瘍成長抑制効果の検討:2008(感受性)及びC13(耐性)腫瘍に対するシスプラチンの腫瘍成長抑制効果を検討した。2008腫瘍ではシスプラチンの抑制効果は全く観察できなかったが、逆に耐性のC13腫瘍は、シスプラチン投与によってその成長が抑制された。これより、これらの細胞は、培養下と生体内では全く異なった性質を示すことが分かった。 4.KPL4移植腫瘍に対するシスプラチンの腫瘍成長抑制効果の検討:ヒト乳癌細胞株KPL4を移植しシスプフチンを投与したところ、非投与群に比べて投与群では、抑制率40%で腫瘍成長が抑制された。
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