2007 Fiscal Year Annual Research Report
27siRNAおよびAtoh1遺伝子導入による哺乳類内耳有毛細胞の再生誘導
Project/Area Number |
19659434
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山岨 達也 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 教授 (60251302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 健太 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90396755)
鈴川 佳吾 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50447398)
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Keywords | 有毛細胞 / 支持細胞 / 蝸牛 / 前庭 / 再生 / 遺伝子治療 / RNAi / BrdU |
Research Abstract |
成熟モルモット(250-350g)の蝸牛有毛細胞をエタクリン酸(50mg/kg内頚静脈に静注)とカナマイシン(400mg/kg筋注)で傷害した。モルモット前庭の有毛細胞はゲンタシン溶解液(40mg/ml)を中耳内・蝸牛窓膜上に投与して傷害した。蝸牛では傷害の4日後、前庭では7日後と14日後にp27(Kip1)RNAとGFPを組込んだアデノウイルスベクター(p27siRNA・GFPAdV)を投与した。ベクター投与ののち2週間、BrdUを経口投与し、反対側の非投与耳、コントロールベクター(random sensesiRNA+GFP)投与耳と比較した。 その結果、p27siRNA・GFPAdV投与耳ではコルチ器の支持細胞の増殖の増加がみられた。surfacepreparationではベクターの感染細胞(GFP陽性細胞)の2割程度に有毛細胞マーカー(myosin VIIa)が発現していた。この一部の細胞はBrdU陽性であり、細胞分裂を介して有毛細胞に形質転換した可能性がうかがわれた。この標本を後固定し、走査電顕で観察したところ、scarの部位に未熟なstereociliaが見られた。現在透過電顕で観察を行っている。、反対側の非投与耳、コントロールベクター投与耳にはこのような変化はなかった。 前庭(卵形嚢)の感覚上皮においては傷害の7日後、14日後投与のどちらにおいてもベクターの感染細胞(GFP陽性細胞)がみられた。しかし非感染細胞(GFP陰性細胞)でも有毛細胞マーカーの発現が見られ、傷害が不十分であった可能性が示唆された。走査電顕で観察した結果では、atypicalなstereociliaが見られたが、傷害後の再生か、不十分な傷害後の形態か、鑑別は困難であった。
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