2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659439
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
石田 雄介 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 助教 (30381809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (20326135)
植田 高史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90244540)
島田 昌一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20216063)
田中 克幸 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (90381839)
梶田 健二 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (80381820)
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Keywords | 味覚 / 温度感受性TRP / 鼓索神経 / 膝神経節 / 電気生理学 / 神経科学 / 脳・神経 / in situ hybridization |
Research Abstract |
本研究の目的は、味覚経路に発現する温度感受性TRPが中枢ではなくすでに末梢のレベルで味覚に影響を及ぼすことを証明し、更にその影響を解析することである。この研究は昨年度から引き続き行われており、以下に本年度の成果とその重要性について説明する。(1)トレーサーFast Bluev (FB)による舌を支配する鼓索神経の標識:当初トレーサーにはDiOを考えていたが、実際に使用して比較してみるとFBによる標識のほうがコントラストもよく調子が良かった。マウス舌前方(鼓索神経領域)にFBを局注し、舌に分布する神経線維を順行性にトレースすることで舌を支配する膝神経節の神経細胞体を同定できた。(2)マウス膝神経節における温度感受性TRP (TRPV1)の発現:昨年度の研究から、マウス膝神経節において温度感受性TRP蛋白のひとつTRPV1が発現していることが示唆されていた。トレーサーFBを用いて舌を支配する膝神経節の細胞体を同定した上で、TRPV1の免疫染色を行ったところこれらのシグナルは一部重なっていた。以上の結果から味覚伝達経路にはTRPV1が発現していることが示唆された。(3)さまざまな温度の味溶液で舌を刺激した場合に誘発される鼓索神経応答の電気生理学的検討:舌を刺激する五つの味溶液(甘味・酸味・苦味・うま味・塩味)を用意し、さらにそれらの温度を低いものから高いものまで設定して、鼓索神経whole nerve recordingを行った。その結果、一般的に42℃(高温)、100℃(低温)では舌の表面温度である25QCよりも活性が抑制された。しかし塩味の場合は10℃では同様に25℃よりも活性が抑制されたが、TRPV1が活性化する42℃の高温条件ではむしろ鼓索神経の応答は増強された。このことから高温下ではTRPV1が活性化して(後、何らかのメカニズムを経て)塩味による味覚神経の応答を増強することが示唆された。
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