2007 Fiscal Year Annual Research Report
眼内レンズ表面への親水・疎水ミクロドメイン構造形成と細胞・タンパク質付着抑制
Project/Area Number |
19659446
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 雄二 Tokyo Institute of Technology, イノベーション研究推進体, 助教 (40422547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村原 正隆 東京工業大学, イノベーション研究推進体, 教授 (40166301)
河合 憲司 東海大学, 医学部, 教授 (00169666)
佐宗 幹夫 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (80170710)
尾崎 弘明 福岡大学, 医学部, 講師 (50309902)
大木 武夫 徳島大学, 医学部, 助教 (70432755)
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Keywords | 親水・疎水ミクロドメイン構造 / 光化学反応 / エキシマレーザー / シリコーンゴム / フィブリン / 眼内レンズ / 毛細管現象 / Xe2エキシマランプ |
Research Abstract |
(1) 成果概要:シリコーンゴムは、生体適合性、耐候性、酸素透過性などの優れた特性から眼内レンズ、コンタクトレンズなどの眼科用ポリマーに臨床応用されている。しかし、これを眼内に移植するとタンパク質や脂肪が表面に付着し、後発白内障などを起してしまう。そのため、生体適合性が高くタンパク質や細胞の付着しない眼内レンズの開発が望まれてきた。そこで、当該研究では、タンパク質や細胞を構成している化学種(-OH、-NH_2、-COOH)をArFエキシマレーザーまたはXe2エキシマランプを用いてシリコーンゴム表面に光化学的に置換し、官能基と蛋白質付着の関係を調べた。その結果、蛋白質の付着量は、-CE_3基<-COOH基<-NH_2基<-OH基の順に多くなり、かつ、各々の親水基の置換密度増加が、蛋白質付着量増加に依存することを明らかにした。さらに-OH基をマトリックス状に配列させたミクロドメイン構造では、タンパク質の付着嫌気性を発現できた。 (2) 実験方法:親水基と疎水基を交互に並べたミクロドメイン構造を形成するためにシリコーンオイルと合成石英ガラスの間隙に水を注入して、毛細管現象による薄液層を形成させる。この状態で、ステップ2(B)に示す様にマスクパターンを通したArFエキシマレーザー光を縮小投影露光する。この処理によって、露光部のみが親水性に改質され、親水性部と疎水性部が交互に並ぶFig.4の様なミクロドメイン構造が光化学的官能基の置換によって形成される。 (3) 実験結果:本手法を用いてでシリコーンゴム表面に形成した親水・疎水ミクロドメイン構造を、タンパク質であるフィブリンの付着テストを行った。その結果、未処理シリコーンオイルは、接触角が120°でフィブリンの吸収係数は0.001であったが、パターン状に親水基を置換して親水-疎水ミクロドメイン構造を形成した試料では、接触角が82°、吸収係数は0.0006と未処理の試料の3/5の付着量を示した。
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Research Products
(3 results)