2008 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒過程に対しストレス応答遺伝子が果たす役割-遺伝子欠損マウスを用いた解析-
Project/Area Number |
19659462
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
畑 寿太郎 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (00375502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蕨 栄治 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70396612)
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Keywords | 創傷治癒 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
酸化ストレス誘導遺伝子として申請者らが見出したEStorogen responsive B BOX protein (EBBP、別名TRIM16)の転写制御、およびノックアウトマウスを作成して創傷治療過程における役割を解析した。まず、タンパク質レベルでの解析を行うために、合成ペプチドをウサギに免疫してポリクローナルを作成した。これを用いてウェスタンプロット解析したところ、EBBPはほぼ全身に発現しており、特に皮膚、脳において高い発現が認められた。転写因子Nrf2のノックダウン細胞を用いた解析から、Nrf2の下においてタンパク質レベルでのEBBPの基礎発現が消失したことから、EBBPは酸化ストレスによる誘導時だけでなく、基底状態においてもNrf2による制御を受けることが明らかになった。EBBP遺伝子の上流にはいくつかのNrf2結合配列(ARE)が存在しており、これらが転写調節に重要なエレメントとなっていることが示唆された。次に、第一会エクソンを欠失させるターゲッティングベクターを構築し、これを用いてC57BL/6バックグラウンドのEBBP遺伝子欠損マウスの作成を試みた。結果、作成に成功し、EBBPホモ欠損マウスは正常に生まれ、野生型マウスとの外見上の差異は認められなかったが、胎児から調整した線維芽細胞では増殖の亢進が見られることが明らかになった。そこで、マウスの背中に4ヶ所の傷を負わせる創傷モデルを作成し、その治療過程の解析を行ったが、EBBP欠損マウスにおいてわずかに治療過程いの早期化が見られるものの、顕著な差は見出されなかった。
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Research Products
(1 results)