2007 Fiscal Year Annual Research Report
脱細胞血管をスキャホールドとした小口径人工血管モデルの作製
Project/Area Number |
19659465
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田原 真也 Kobe University, 医学部附属病院, 教授 (60207206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (80217421)
橋川 和信 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (90403237)
藤里 俊哉 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60270732)
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Keywords | 再生医学 / マイクロサージャリー / 移植・再生医療 / 再建外科学 |
Research Abstract |
本研究は,超高圧印加処埋法によって脱細胞化した同種血管をスキャホールドとして用いる小口径人工血管モデルの作製を目的としている.これまで本法によって脱細胞化した小口径血管に関する報告はないため,本研究で得られる成果はすべてこの分野における新たな展開の基礎となり得る.平成19年度は,小口径動脈に最適な脱細胞化プロトコルの確立を主な研究課題とした. Wistar系のアダルトラットから深麻酔下に大腿動脈(口径約1mm)を採取し,冷間等方圧加圧装置を用いた超高圧印加処理,洗浄処理を行うことで細胞成分の除去(脱細胞化)を行った.脱細胞化動脈を同一ラットの対側大腿動脈へ間置移植し,7日後に再開創して血管開存の有無を確認した.また,脱細胞化した動脈の一部から組織切片を作製し,細胞核の残存度,内皮細胞の残存度,平滑筋細胞の形態維持の程度,基底膜構造維持の程度,コラーゲン・エラスチン線維の走行について免疫組織化学的に検討した.脱細胞の程度が不充分である,または脱細胞処理による構造破壊の程度が大きい場合は,脱細胞化処理の設定条件を変更して,同一の実験を繰り返した. 一連の実験によって,小口径動脈の脱細胞化に適するプロトコル(温度,圧力,時間,洗浄液の組成)を確認し得たが,移植血管の強度が低いこと,血管吻合部の開存率が低いことが明らかとなった.移植血管として用いるためには,内皮細胞,平滑筋細胞,線維芽細胞などの自家細胞導入が必要であることが強く示唆される.
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Research Products
(2 results)