2008 Fiscal Year Annual Research Report
脱細胞血管をスキャフォールドとした小口径人工血管モデルの作製
Project/Area Number |
19659465
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田原 真也 Kobe University, 医学部附属病院, 教授 (60207206)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (80217421)
橋川 和信 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (90403237)
藤里 俊哉 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60270732)
|
Keywords | 再生医学 / マイクロサージャリー / 移植・再生医療 / 再建外科学 |
Research Abstract |
本研究は、脱細胞化した同種血管をスキャホールドとして用いる小口径人工血管モデルの作製を目的としている。これまで界面活性剤法や凍結融解法により脱細胞化した小口径血管や化学合成物による小口径血管の開発が試みられてきたが、得られたマテリアルの抗原性や脆弱性、血栓形成性の壁に阻まれて実用化には至っていない。われわれは既存の方法を用いず新たな方法により血管の脱細胞化に成功した(特許申請中)。 ラットより採取した腹部大動脈を新規の方法にて脱細胞化し、これを他の個体に顕微鏡下で腹部大動脈に吻合・移植した。1週間後および1ヵ月後に移植片を採取し、組織学的検討を行ったところ、以下の結果が得られた。(1)HE染色により、確かに脱細胞化が行われていることが確認された。(2)移植後1週目および1ヶ月目において血管の開存が認められた。(3)内皮細胞マーカーである抗vWF抗体および血管平滑筋細胞マーカーである抗α-SMA抗体による免疫染色の結果、約1週目にはvWF陽性および非陽性細胞が人工血管壁に浸潤している様子が観察された。(4)約1ヵ月後には血管内皮細胞と血管平滑筋細胞の層構築が正常血管を模して形成されていることが確認された。 以上より、われわれが開発した新しい脱細胞化血管は物性的にも十分な強度が得られ、生物互換性も高く、有用な代替血管となることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)