2008 Fiscal Year Annual Research Report
侵襲下腸粘膜細胞アポトーシス誘導におけるTIRファミリーレセプターの役割の研究
Project/Area Number |
19659475
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
寺嶋 真理子 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (00412015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 穣治 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80360270)
上田 敬博 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80412055)
丸川 征四郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00030883)
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Keywords | TIRレセプターファミリー / 腸管粘膜 / アポトーシス / エンドトキシン / IL-18 / 外科侵襲 |
Research Abstract |
IL-18は敗血症患者において血中濃度が増加すると報告されており、中でも腸管における含量は他の組織と比較して多く、腸管免疫で重要な役割を果たしていると考えられる。本研究ではIL-18 knock outマウス(KO)を用いてlipopolysaccharide (LPS)投与によりエンドトキシン血症モデルを作成し、空腸、回腸のapoptosisとTIRファミリーであるIL-18およびTLR4の関連を調べた。空腸では、非侵襲下でIL-18は絨毛上皮のapoptosisを抑制しており、侵襲下でapoptosisを促進していた。また、回腸では、非侵襲下、侵襲下どちらにおいてもapoptosisを促進していた。mRNAについては空腸粘膜ではエンドトキシンによりWTマウスのTLR4の発現が増加したが、KOマウスでは増加は見られなかった。回腸ではWT、KOともエンドトキシンによりTLR4発現は増加した。このときWTではエンドトキシンにより空腸粘膜におけるIL-18のmRNAが減少し、回腸粘膜では大きな変化が無かった。以上より、空腸ではエンドトキシンによりIL-18濃度が減少してTLR4の発現とapoptosisが増加し、IL-18濃度はTLR4の発現に関与している可能性が示唆された。しかし、回腸ではIL-18とTLR4の関係は明らかではなかった。本研究によりIL-18はエンドトキシン血症下のTIRレセプターファミリーの発現に関与すること、腸管の部位により働きが異なる可能性が示唆され、現在さらに解析を進めている。研究成果は外科感染症学会雑誌やShock学会雑誌への投稿を検討しており、本研究は侵襲下での腸管免疫におけるTIRレセプターファミリーの重要性を明らかにしたものである。
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Research Products
(1 results)