2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規分泌性タンパク質、FDC.SPの機能と歯周疾患との関連
Project/Area Number |
19659485
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
篠村 多摩之 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (70206118)
|
Keywords | 接合上皮 / 歯肉溝浸出液 / 濾胞樹状細胞 / FDC-SP |
Research Abstract |
1. FDC.SPタンパク質の大量調製:FDC.SPの機能解析を目的として、まずはFDC.SPにヒスチジンタグが付いた融合タンパク質(His-FDC.SP)を大腸菌で発現させ、アフィニティーカラムを用いて精製を行った。次にHis-FDC.SPからヒスチジンタグ部分を除去する目的で、特異的なタンパク分解酵素による処理を行い、再度アフィニティーカラムで精製することによりnative formに極めて近いFDC-SP分子を得た。一方、完全なnative formのFDC.SPを得る目的で、FreeStyle MAX発現システム(インビトロジェン社)を用いてヒトのHEK293細胞でFDC.SPタンパク質の大量合成を進めてきた。ところが、導入した遺伝子の発現は問題なく起こっているにもかかわらず、合成されたFDC.SPタンパク質が細胞内に止まり全く分泌されないことが明らかになった。このことは、FDC.SPが単純な分泌性タンパク質でなく、その分泌は高度に制御されている可能性を示唆している。そこでFDC.SPの分泌制御機構について、新たな解析を開始した。 2. FDC.SPタンパク質の免疫組織化学的解析:歯肉溝滲出液中のFDC.SP量を測定する目的で、ELISAによる新たな定量法の開発を進めているところであるが、同時に接合上皮に於いて合成されたFDC.SPタンパク質が、免疫組織化学的に検出できるかどうか検討を加えた。この目的のために、マウスのFDC.SPと反応する特異抗体を作成して免疫染色を行ったところ、既にin situ hybridizationによって得られているFDC.SP遺伝子の発現部位と一致して、接合上皮が特異的に染まることが確認できた。従って、FDC.SPタンパク質は、歯肉溝浸出液に含まれることが充分に期待できることが分かった。
|
Research Products
(2 results)