2007 Fiscal Year Annual Research Report
MMPの新機能:マトリクス合成促進因子の転写因子としての役割
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19659487
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
滝川 正春 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90221936)
服部 高子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00228488)
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30322233)
青山 絵理子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10432650)
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Keywords | マトリックス金属プロテアーゼ3 / MMP3 / 結合組織成長因子 / CTGF / CCNファミリー2 / CCN2 / 転写因子 / 軟骨 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
(1)ヒト軟骨細胞様細胞HCS-2/8のcDNAファージライブラリーから、CTGF/CCN2遺伝子プロモーターの軟骨特異的エンハンサーであるTRENDICをプローブとしてDNA結合タンパクの遺伝子をクローニングしたところ、その一つはmmp3であった。ついで、その結合特異性をゲルシフト法およびクロマチン免疫沈降実験で確認した。 (2)TRENDICを含むCTGF proximal promoterを蛍ルシフェラーゼ遺伝子上流に接続したレポータープラスミドとMMP3発現プラスミドを軟骨細胞にトランスフェクトしてプロモータ活性を測定すると、MMP3の発現によりCTGF/CCN2の転写が活性化された。一方、MMP3変異体の発現により活性が消失した。 (3)細胞化学的および組織化学的検索により、MMP3が培養軟骨細胞、および正常および変形性関節症の軟骨組織の軟骨細胞の核内に存在することを見いだした。 (4)siRNAでMMP3をノックダウンすると、CTGF/CCN2の発現が低下した。 (5)培養液中に加えたMMP3タンパク質が核内へ移行すること、MMP3には6つの核移行シグナル様配列が存在することを明らかにした。 (6)ヘテロクロマチンタンパク1ガンマがMMP3とctgf/ccn2遺伝子との相互作用に協調して働いていることを見いだした。 以上の結果は、細胞外から細胞に取り込まれたMMP3がCTGF/CCN2遺伝子のプロモーターのTRENDIC配列に結合してCTGF/CCN2の遺伝子発現を促進することを示している。したがって、MMP3は従来から知られているように細胞外マトリックス(ECM)を分解する一方で、細胞外マトリックス産生促進作用を有するCTGF/CCN2の発現を介して、マトリックス産生を促進する作用も有していること、即ち、マトリックスリモデリングに関与していることが示唆される。
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