2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規分子とオートファジィーの関係を探る。-GABA(A)受容体の分解制御-
Project/Area Number |
19659488
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
兼松 隆 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 准教授 (10264053)
|
Keywords | PRIP / GABARAP |
Research Abstract |
我々は、PRIP分子を新規イフシトール1、4、5-三リン酸結合性タンパク質として見出し、その細胞内機能の解析を行ってきている。その研究過程で我々はGABARAP(GABA_A receptor associated protein)と相互作用をすることを見出し、PRIP遺伝子欠損マウスを作製し、この分子がGABA_A受容体を介するシグナル伝達機構に重要な分子であることを明らかにした。一方、GABARAPの機能に関しては、本分子発見者であるUCLA大学Olsen教授やその他のグループによって、GABA_A受容体輸送に重要な分子であることが報告されている。加えて、ユタ大学のBamber教授らは、C.elegansを用いてこのGABARAP分子の作用により、エンドサイトーシスされたGABA_A受容体がオートファゴソームに輸送されることを報告した。本研究課題では、PRIPのノックアウトマウスを用いて、哺乳動物細胞においてもGABA_A受容体がオートファゴソームに輸送されるかどうかを解析するのが目的である。 本年度は、オートファゴソーム形成過程を可視化するために、GFP-LC3マウスとPRIP-KOマウスを交配し、PRIP-KO/GFP-LC3マウスと実験対照用のGFP-LC3マウスの作出に取り組み成功した。生まれたマウスは、順調に生育し交配も問題はなかった。そこで、これらマウスを用いて先ず、PRIP遺伝子欠損がオートファゴソーム形成に及ぼす影響を調べた。まだ予備的な実験段階ではあるが、PRIP遺伝子欠損は、ナートファゴソーム形成に影響しているという結果を得ている。また、GARA_A受容体のエンドサイトーシスを誘導した際にも、受容体のオートファゴソームへの移行に影響を及ぼすようである。
|