2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規分子とオートファジーの関係を探る。 -GABA(A)受容体の分解制御-
Project/Area Number |
19659488
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
兼松 隆 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 准教授 (10264053)
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Keywords | PRIP / GABARAP / オートファジー / GABA,受容体 |
Research Abstract |
我々は、PRIP分子を新規イノシトール1,4,5-三リン酸結合性タンパク質として見出し、その細胞内機能の解析を行ってきている。その研究過程で我々はGABARAP(GABA_A receptor associated protein)と相互作用をすることを見出し、PRIP遺伝子欠損マウスを作製して、この分子がGABA_A受容体を介するシグナル伝達機構に重要な分子であることを明らかにした。GABARAPは、オートファジー関連蛋白質LC3のホモログであることから、オートファジー(タンパク質の分解系)との関係が想定されているもののその関係は明らかではなかった。そこで、その関係を明らかにするために、オートファゴソーム形成過程を可視化できるマウスを用いて解析を行った。培養神経細胞を用いてGABA_A受容体のエンドサイトーシスの解析を行ったところ、PRIP野生型細胞においてGABA_A受容体がオートファゴソーム膜に共局在する像は得られたものの、他のオルガネラへの局在も確認された。また、PRIP KO細胞においても同様のシグナルを観察することができたが、野生型のシグナルと比べて有意な差異を観察するのは困難であった。そこで、初代線維芽細胞を用いてPRIP分子によるオートファジー誘導への影響を調べた。その結果、PRIP欠損細胞では、有意なオートファゴソーム形成の亢進を観察することができた。さらに、PRIPはLC3とも結合したことからオートファゴソーム形成の分子基盤の一翼を担う分子であることが明らかとなった。
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