2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯肉上皮機能の分子機構の解明とその制御に関する研究
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19659494
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
松下 健二 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 口腔疾患研究部, 部長 (90253898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
引頭 毅 国立長寿医療センター(研究所), 口腔疾患研究部, 室長 (10360918)
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Keywords | 免疫・感染・炎症 / 加齢 / 活性酸素 |
Research Abstract |
一酸化窒素(NO)は、生体の恒常性推特にきわめて重要な分子である。申請者は、これまで血管内皮機能の調節におけるNOの役割を検討する過程で、血管内皮のエキソサイトーシスが一酸化窒素(NO)によって制御されることを明らかにしてきた。本研究では、これまでの血管内皮機能の研究を応用し、さらに発展させて歯周組織ににおけるNOの役割を詳細に検討するとともに、NOの作用を応用した新しい歯周病予防、治療法の可能性を探ることを目的とした。本年度は、歯肉上皮の感染抵抗因子である抗菌ペプチドSecretory Leucocyte Protease Inhibitor(SLPI)の分泌にPorphyromonas gingivalis (P.g.)がどのような影を及ぼすか、またまた歯周病源細菌の重要な病原因子であるリポタイコ酸(LTA)およびリポ多糖(LPS)が宿主細胞の分泌応答にどのような影響を及ぼすかについて検討した。加えて、NOがそれらの応答に対して作用するかいなかについて検討を行った。その結果、P.g.菌の産生するシステイン様プロテアーゼgingipainは歯肉上皮細胞産生するSLPIを分解して、歯肉上皮の感染防御機能を障害していることが明らかになった。また、それはNOを付加することによって部分的に抑制された。また、LTAやLPSが誘導するIL-8の分泌は、NOによって抑制されること、またそれがMyD88のs-ニトロシル化によって制御されることが明らかになった。以上の結果から、一酸化窒素NOは歯周病の病態形成過程において宿主側と細菌側双方に作用し、その発症と進展に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)