2007 Fiscal Year Annual Research Report
TRP-channelタンパクの歯髄感覚受容における機能解明
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19659495
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 英治 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部附属病院, 講師 (20222896)
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Keywords | 歯髄 / 痛み / TRP super-family / TRPV1 / カプサイシン / 温度感受性 / チャンネルタンパク / 伝導速度 |
Research Abstract |
歯髄の感覚受容機構をTRP super-familyの歯髄内存在確認と機能に着目することによって,分子生物学的・細胞生理学的に解析することを目的として研究を行い, (1)神経軸索のタイプによるカプサイシン感受性 動物実験(in vivo)で単離神経の伝導性を調べ,C線維の伝導性は始め興奮性に働き,後にブロックされることがわかった.Aδ線維は同様の変化を歯髄内伝導速度がC域のもののほとんどでみられた.しかし,歯髄内伝導速度がA域のものはその伝導抑制はほとんど生じなかった.ただし,神経終末が司るとされる象牙質刺激感受性は象牙質へのカプサイシンの投与によって時間とともに抑制・消失した.特筆すべきは影響を受けないとされているAβで,その電気刺激に対する伝導性は影響を受けなかったが,その主機能とされる象牙質感受性は消失し,逆行性象牙質内電位の長潜時成分は減少・消失した. (2)TRP-channel receptorタンパク質の歯髄内発現解析 TRP-channelは神経細胞だけでなく非神経細胞にも発現,機能していることが明らかになった.現在同定されている9種類のうち,TRPV1の歯髄外層での免疫組織学的発現が確認された.TRPV2,4はまだ確証に至っていない.また,単離した歯髄外層細胞(象牙芽細胞を含む)で約43度,約51度近辺で開く温度感受性イオンチャンネルが観察された.まだ,検証例数が少なく約36度,約28度というより低い温度での観察は今後行っていくつもりである.
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