2007 Fiscal Year Annual Research Report
変異型GDF11を添加した歯髄幹細胞導入法による象牙質再生促進
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19659499
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
中島 美砂子 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 口腔疾患研究部, 室長 (20207773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庵原 耕一郎 国立長寿医療センター(研究所), 口腔疾患研究部, 外来研究員 (60435865)
中村 洋 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40064878)
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Keywords | Metalloproteinase / BMP / GDF / 歯髄創傷治癒 / 修復象牙質 / 生活歯髄切断 / 歯髄幹細胞 / 象牙質再生 |
Research Abstract |
歯髄創傷治癒過程においては、象牙質基質あるいは歯髄組織の細胞外基質に蓄積されているBMPs/GDFsをはじめとする様々な細胞・分化因子はMatrix Metalloproteinases(MMPs)により活性が調節されると考えられる。例えば歯髄創傷治癒に重要な役割を有することが知られているGDF11/BMP11は、成熱型はプロドメインと非共有結合して潜在型となり、プロドメインにMetalloproteinasesが作用すると潜在型からプロドメインがはずれ成熟型に変化するといわれている。しかしながら、歯髄創傷部位において発現するMetal loproteinaseはいまだ明らかではない。よって、本年度は、歯髄創傷過程て発現するMMPsの発現と機能を解析した。まず、歯髄創傷モデルとしてラット切歯に生活歯髄切断を行い、さまざまなMMPsのmRNA発現の経時的変化をReal-time RT-PCRにて検討したところ、MMP3mRNA発現は生活歯髄切断後24時間の細胞増殖期において8倍のピークを示した。MMP9は処置直後から2倍の上昇がみられ、その発現はその後も維持されていた。他のMMPsの変化は特に見られなかった。蛍光免疫染色では切断後24時間の歯髄切断面下の血管周囲にMMP3の発現がみられた。また、MMP3は培養血管内皮細胞の増殖、遊走を促進し、アポトーシスを抑制した。リコンビナントMMP3をラット切歯生活歯髄切断面上に応用すると、細胞の増殖が促進され、大量の骨様象牙質が形成された。よって、MMP3の歯髄創傷治癒への関与が示唆された。
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