2007 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼筋・舌組織の再生に向けた筋系細胞分化促進技術の開発
Project/Area Number |
19659505
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
江草 宏 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 助教 (30379078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢谷 博文 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80174530)
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Keywords | 組織再生 / 舌組織 / 咀嚼筋 / 細胞分化 |
Research Abstract |
本研究課題は,「伸展・圧縮などの外的刺激」と従来の「組織工学的手法」を組み合わせ,in vitroで間葉系幹細胞を成熟した筋管細胞・筋繊維に分化誘導し,in vivoでの咀嚼筋・舌組織再生に応用することを目的とする。マウス骨髄間質細胞より自然不死化させたクローナルな細胞株を樹立し,この細胞株を,骨格筋系分化に有用な増殖因子(HGF, IGF-1, TGF-α等)の存在下で筋系に分化誘導したところ,ある程度の骨格筋細胞マーカー遺伝子の発現が誘導された。さらに,カスタムメイドのバイオリアクター(反復伸展装置)を製作し,これらの細胞に継続的伸展刺激を与えた結果,5日後には筋管細胞様の細胞が認あられるようになり,骨格筋細胞マーカー遺伝子の発現が促進された。また,細胞に伸展刺激を与えるために,これらの細胞をシリコンシート上に播種するが,シート上において筋系分化に適した細胞外基質の足場を検索した。その結果,フィブロネクチンによるコーティングが細胞付着・分化の点で適していることがわかった。これまでの報告から,間葉系幹細胞を骨格筋系へ分化誘導することは,骨芽細胞や脂肪細胞への分化誘導と比較して困難と考えられている。我々の実験結果は,生体内における骨格筋組織の力学的環境を試験管内で擬似的に再現し,収縮・伸展を与えることで,間葉系幹細胞を骨格筋系へ分化誘導できる可能性を示唆するものである。次年度は,この反復伸展により分化誘導した筋系細胞が生体内の舌組織により速やかに生着するか否かを動物実験により検討していく予定である。
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