2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌誘発骨破壞病変の制御に立脚した血管骨代謝研究分野の創生に向けての基礎的研究
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19659529
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 朗 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00170663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 徳枝 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50362984)
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Keywords | 血管新生因子 / 破骨細胞 / 骨吸収 / 血管新生阻害剤 / 骨破壊モデル / 高カルシウム血漿 / 癌の浸潤 / 骨代謝 |
Research Abstract |
本研究の目的は,癌の骨浸潤や骨転移,癌随伴高カルシウム血症などの癌誘発性骨破壊病変に対する血管新生阻害剤による新たな治療法の有用性を追求することにあり,さらに癌に関わる血管新生と骨代謝に関する新領域の創生のための基礎的データの構築にある。具体的には,作用機序の異なる各種血管新生阻害剤を用いて,破骨細胞形成ならびに骨吸収活性に対する効果を明らかにする。つまり,(1)骨吸収に対する血管新生阻害剤の影響として,in vitroにおける破骨細胞形成ならびに破骨細胞性骨吸収系の実験モデルを用いて明らかにする。(2)PTHrP産生ヒトロ腔扁平上皮癌を移植し作製した癌随伴高カルシウム血症マウスならびに非担癌の高カルシウム血症マウスに対する各種血管新生阻害剤の破骨細胞性骨吸収抑制効果を,血清カルシウム値ならびに骨の組織計測学的評価を指標にして明らかにする。本年度は,動物実験のモデルの作製と機器のセットアップおよびin vitroでの検討を行った。マウスC57blackの骨髄細胞にビタミンD3により誘導される酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ染色陽性多核細胞数を指標とした破骨細胞形成系での検討では,血管新生阻害剤Angiostatinは,破骨細胞形成をin vitroで抑制し,2-Methoxyestradiolは変化なく,高濃度のみ破骨細胞形成の抑制を認めた。EndostatinならびにPlatelet factor4では,破骨細胞形成には影響しなかった。血管新生因子Angiogeninは予想に反して破骨細胞形成を抑制した。現在,in vivoでの効果について検討を行っている。
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