2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌誘発骨破壊病変の制御に立脚した血管骨代謝研究分野の創生に向けての基礎的研究
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19659529
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 朗 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00170663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 徳枝 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50362984)
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Keywords | 血管新生因子 / 血管新生阻害薬 / FAK / mTOR / 破骨細胞 / 骨吸収 / 癌骨破壊 / 口腔扁平上皮癌 |
Research Abstract |
血管新生因子と破骨細胞性骨吸収との関連の検討に,血管新生の標としてmTORMammalian target of rapamycinならびにFAK(Focal adhesion kinase)を対象に検討した。これらの因子は癌分子標的治療として着目され創薬の開発が進んでおり臨床的意義から選択した。mTOR阻害剤は新規阻害剤temsirolimsを,FAK阻害剤は,新規分子標的薬TAE226を用いた。 1. mTOR (1)HSC2とマウス頭蓋冠を用いたI型コラーゲンゲル3次元共存培養により遊離Ca濃度をtemsirohmsは濃度依存的に抑制した。 (2)破骨細胞前駆細胞株RAW264.7を用いた破骨細胞形成系で,temsirolimsは破骨細胞形成を抑制した。 (3)TGF-βとRANKLの共存下でRAW264.7におけるmTORシグナルを活性化によって促進される破骨細胞形成.吸収能をtemsirohmsは抑制した。 (4)HSC2のマウス大腿骨髄腔注入骨破壊実験モデルでは,temsirolimsは,癌による骨破壊,破骨細胞形成を有意に抑制した。 (5)PTHrP(1-34)誘発性高カルシウム血症マウスにtemsirolimsを投与すると有意に高カルシウム血症を改善した。 2. FAK (1)骨吸収モデルとして乳癌骨転移モデルを使用した。TAE22は,有意に癌骨破壊,腫瘍増殖を抑制し,TAE226投与群のマウス生存も延長した。TAE226投与群では癌骨転移巣における破骨細胞数の抑制を認めた。 (2)マウス骨髄細胞,RAW264.7を用いた破骨細胞形成,成熟破骨細胞骨吸収活性ならびに破骨細胞のアクチンリング形成をTAE226は抑制した。 以上より,これらの血管新生阻害因子は破骨細胞形成や吸収活性ならびに癌の骨破壊や高カルシウム血症を抑制できることが明らかとなった。血管新生と破骨細胞性吸収との関連が強く示唆された。
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Research Products
(6 results)