2007 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalis線毛遺伝子型の同定と歯周炎発症高リスク者特定への応用
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19659538
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仲野 和彦 Osaka University, 歯学部附属病院, 講師 (00379083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 隆 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (80116003)
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Keywords | 歯周炎 / Porphvromonas gingivalis / 線毛 / 遺伝子型 / 小児 |
Research Abstract |
小児歯科領域において,歯肉炎を認めることはあっても歯周炎を呈する症例に遭遇することは少ない.これまでに,成人性歯周炎の主要な原因菌として知られるPorphyromonas gingivalisに関して,歯周炎罹患患者の線毛遺伝子型(I〜V型・Ib型)の分布に特定の偏りがあること,また線毛自体の歯周疾患の重症度への関与が示されてきた.本研究では,小児・思春期の子ども,そしてその母親の唾液およびプラークを採取し,P. gingivalisをはじめ各種歯周病原性細菌の分布を検討した.その結果,頻繁に検出される菌種と一過性にしか検出されない菌種とが存在し,P. gingivalisは後者に分類された.また,母親の総菌種数が多いほどその子どもの総菌種数も多く,red complexであるP. gingivalis. Treponema denticola. Tannerella forsythensisを1菌種でも保有する母の子どもは,保有しない母の子どもよりred complexを保有する確率が高いことが明らかになった.さらに,P. gingivalis陽性対象者のfimA型の特定を行うと,その分布は成人とは異なり,小児期には病原性の低いfimA型が多く存在することが示された.以上の結果から,小児・思春期の子どもにおいて定着しやすい歯周病原性細菌とそうでない細菌が存在し,また定着しにくい菌種の一つであるP. gingivalisは小児・思春期では病原性が低いタイプが多く存在していること,また小児・思春期の小児の口腔内における歯周病原性細菌は母親のそれと深く関連性があることが示唆された.
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Research Products
(4 results)