2007 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞移植による骨・軟骨再生と顎裂閉鎖治療への応用
Project/Area Number |
19659540
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷本 幸太郎 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20322240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹根 一夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30159032)
加来 真人 広島大学, 病院, 助教 (10325194)
植木 雅士 広島大学, 病院, 歯科診療医 (20444680)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / ヒアルロン酸 / 担体 / 再生 / 機械的負荷 / 口蓋裂 |
Research Abstract |
本年度は、コラーゲンとヒアルロン酸(HA)を主成分とする新規担体を用いた骨・軟骨再生療法を確立する目的で、以下の通り実施した。 1.コラーゲンおよびHAの担体としての機能分析ヒト骨髄由来未分化間葉系幹細胞(MSC)を単層培養により増殖後、コラーゲンゲルまたはコラーゲン-HA混合ゲル内に包埋して三次元培養を行い、骨および軟骨への分化誘導を行った。 その結果、骨分化条件での検討では、コラーゲン-HA混合ゲル培養において、骨分化中のアルカリフォスファターゼ(ALP)活性およびカルシウムレベルが通常のコラーゲンゲルに比較して有意に高いことが明らかとなった。さらに、MSCにおける骨分化マーカー(Runx2、骨シアロプロテイン、ALP、I型コラーゲン)遺伝子発現が通常のコラーゲンゲルに比較して有意に高いことも明らかとなった。一方、軟骨分化条件では、コラーゲン-HA混合ゲル培養においてMSCのグリコサミノグリカン産生量が有意に高いことが明らかとなった。さらに、MSCにおける軟骨分化マーカー(II型コラーゲン、X型コラーゲン、アグリカン、Sox9)遺伝子発現の経時的検討では、通常のコラーゲンゲルに比較して軟骨への分化、成熟が有意に促進された。 以上の検討から、コラーゲン-HA混合ゲルはMSCの骨および軟骨への分化を亢進させることが明らかとなり、骨・軟骨再生治療におけるMSC担体としての有用性が強く示唆された。 2.バリアメンブレンを担体として利用したMSCの骨再生誘導能の検討ネンブタール深麻酔下にてラット前頭骨に直径2mmの骨欠損を作製し、上底と下底にMSCを接着させたバリアメンブレンをサンドイッチ状に静置して皮膚を縫合した。その結果、MSC存在下では、対照群に比較して骨欠損部における有意な新生骨面積とALP陽性細胞数の経時的な増加が認められた。骨欠損部にMSCを接着したバリアメンブレンを適用することにより、骨再生が亢進されることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)