2008 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼と脳発達における歯と歯根膜の役割-無歯顎モデルマウスを用いた統合的研究-
Project/Area Number |
19659543
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉田 教明 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40230750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝崎 龍典 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (70399757)
田中 基大 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (90420629)
ゼレド ジョージ 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10363459)
北浦 英樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60295087)
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Keywords | 無歯顎モデルマウス / 顎運動 / 筋電図 / 咀嚼機能 / op / opマウス / 歯根膜機械受容器 / 顎口腔機能 |
Research Abstract |
歯根膜機械受容器からの感覚を完全に遮断した無歯顎モデル(op/opマウス)を実験動物に用いることにより、歯および歯根膜の存在が咀嚼機能・脳機能の発達にどのような役割を果たすかを解明するため、破骨細胞の分化が阻害されることにより歯の萌出しないマウスの咀嚼機能の解析を行い、機能の発達の程度について、健常マウスと比較した。 その結果、無歯顎モデル(op/opマウス)において、健常マウスと比較して、歯が存在しないために、顎運動軌跡をパターン化する機能に障害が生じることが明らかになった。また、歯根膜が存在しないため、機械受容器の働きによりにより形成される、円滑な咀嚼運動が妨げられていた。 また、健常マウスの顎運動軌跡が3相に分かれているのに対して、op/opマウスでは閉口相と開口相の2相しか観察されず、臼歯による臼磨活動を欠くことが明らかになった。これは、op/opマウスは、軟らかい食物を摂食するように咀嚼機能が適応してきたことを示しており、健常マウスのように、食塊の形成に従って変化する食物の性状に合わせて、咀嚼運動を制御できないことが明確になった。 咀嚼機能の正常な発達には、歯根膜機械受容器の発達、成熟が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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