2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨吸収抑制因子としてのプロスタグランジンE2の作用解析
Project/Area Number |
19659545
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
中村 浩志 Matsumoto Dental University, 歯学部, 助教 (00278178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮沢 裕夫 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90147637)
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90278177)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (20350829)
上原 俊介 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90434480)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
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Keywords | プロスタグランジンE_2 / マクロファージ / 破骨細胞分化 / ヒト歯髄間葉細胞 |
Research Abstract |
我々は、プロスタグランジンE_2(PGE_2)はマウスおよびヒトのマクロファージに作用し、cAMP-PKA経路を活性化させるにもかかわらず、マウスでは破骨細胞分化を促進し、ヒトでは破骨細胞分化を抑制することを見出していた。PGE_2産生を抑制するCOX-2阻害剤は汎用されているが、PGE_2のヒトの骨代謝への影響は明らかでない。そこで、生体におけるヒト破骨細胞分化へのPGE_2の作用を明らかにすることを目的に本研究を計画した。平成19年度にはヒト造血系再構成マウスの作製とその組織におけるB細胞、T細胞および樹状細胞分化の評価(計画1),ヒト造血系再構成マウス由来の骨髄マクロファージと末梢血CD14陽性単球細胞のin vitro破骨細胞分化の解析(計画2),ヒト造血系再構成マウス由来骨髄細胞とヒト骨芽細胞様細胞株SaOS-2の共存培養による破骨細胞誘導系の確立(計画3)、ヒト造血系再構成マウスのin vivoにおける、破骨細胞分化過程の発現プロファイル作製(計画4)、以上の4点を計画した。現在、計画1〜4の実現のためT,B,NK細胞を完全に欠損する重度免疫不全マウスを購入し、ヒト造血系再構成がマクロファージ系列で成立つ条件を検討中である。ヒトマクロファージ系列の成立には、ヒト間葉細胞が分泌するヒトM-CSFが必須である。マウス体内でヒトマクロファージが分化定着するために、ヒト歯髄間葉細胞をヒトM-CSFの供給源として移植することを検討している。平成19年度において、マウスでのみ成功していた間葉細胞と造血細胞の共存培養によるマクロファージから破骨細胞への分化を、ヒト歯髄間葉細胞とヒト造血細胞の共存培養系で成功させた。したがって、当初計画3で予定したヒト細胞株SaOS-2の共存培養による破骨細胞培養系よりも、より生体内の環境を反映した優れた系を確立することが出来た。
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Research Products
(9 results)