2007 Fiscal Year Annual Research Report
トランスレーショナルリサーチによる歯根膜弾性線維の機能解明への画期的アプローチ
Project/Area Number |
19659547
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
須田 直人 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90302885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 正寛 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (40215562)
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Keywords | 弾性線維 / フィブリリン1 / TGF-βシグナル / マルファン症候群 / 不死化細胞 / 歯根膜 |
Research Abstract |
弾性線維は歯根膜中にも存在し、エラスチンを欠如したマイクロフィブリルのみから構成されるオキジタラシ線維という特徴的な構造を呈す。弾性線維中のフィブリリン1をコードするFBN1の遺伝子変異を原因とするI型マルファン症候群は歯周疾患に易罹患性であると知られる。このことは、弾性線維やフィブリリーン1が、現在まだ未解明の歯根膜の機能を担うことを強く示唆する。 そこで本課題の目的は、歯根膜中の弾性線維が、その発生や恒常性維持にどのように働いているかを分子生物学的、細胞生物学的に検討することである。またTGF-βが、心・血管や肺と同じように、歯根膜においてもシグナル因子として関与しているか検討する。 健常人と重篤な歯周病を伴うI型マルファン症候群患者より歯根膜細胞を単離し、各々HPDL2、M-HPLlと記号化した。疾患患者のFBNI遺伝子を解析し、6431G→Aという変異によりN2144Sという変異タンパクが発現されることが明らかとなった。HPDL2とM-HPLIは共に、PLAP1を発現し、高リン酸下で石灰化能を有する歯根膜細胞の特徴を有した。そこで、HPDL2とM-HPL1にBmi-1とhTERT遺伝子を導入し不死化した。興味深いことにM-HPL1には、TGF-βシグナルの亢進をみた。 不死化細胞をハイドロキシアパタイトと共にSCIDマウス皮下に移植した結果、M-HPL1の移植片は、HPDL2の移植片でみられた整然とした細胞配列がなく、microfibril assemblyにも異常がみられた。歯根膜弾性線維の機能には多くの不明な点がある。M-HPL1は、TGF-βシグナル亢進と移植片中の細胞配列に異常を呈し、歯根膜の発生や歯周病の発症のメカニズム解明に大変有用と期待される。
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Research Products
(19 results)