2008 Fiscal Year Annual Research Report
消化管運動機能を改善させるオーラル・ヘルス・ケア手技の開発
Project/Area Number |
19659551
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 佳功 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (40238035)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 明人 東北大学, 病院, 准教授 (00241646)
佐藤 智昭 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50312591)
水戸 祐子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00431586)
|
Keywords | 消化管運動 / オーラル・ヘルス・ケア / 胃電図 / 胃排出速度 |
Research Abstract |
咀嚼に伴う口腔感覚は満腹中枢を介して食物摂取量の調節に関与し、迷走神経を介した消化管運動の調節を通じて胃排出など消化管における食物の動態に影響する。偽食の研究から、実験者による下顎の他動的開閉により生じる感覚も、消化管運動の調節に関与しうるとの知見が得られている。本研究の目的は、口腔衛生状態の維持改善、ならびに口腔機能の維持回復を目的とする口腔ケアに、それに伴う口腔感覚の惹起を介した、消化管運動機能の賦活効果があるか否かを検討し、消化管運動機能改善に寄与しうるオーラル・ヘルス・ケア術式の開発することにある。 初年度に消化管運動機能の評価手法を確立したのを受け、第2年度の20年度は、口腔ケアにおいて粘膜のブラッシングに代わる口腔感覚の賦活方法を、初年度同様、完全な歯列を有する若年健常者において探索した。その結果、軟性樹脂性のスプリント用口腔内装置を装着させ、咀嚼に近似したリズムで間歇的な噛みしめを行わせる「咀嚼体操」の有用性を示唆する知見が得られた。 次いで常食ないしソフト食を経口摂取している老人保健施設入所者を対象に、この咀嚼体操を加えた口腔ケアが消化管運動機能の賦活に及ぼす効果を、通常の口腔ケアと比較、検討する調査を企画した。本調査研究のプロトコルは、本研究の代表者、分担者が所属する東北大学、ならびに施設を所有管理する東北福祉大学の研究倫理委員会の承認を受けたが、調査の実施は施設側の研究協力体制上の制約から、21年度に持ち越された。
|