2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659552
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
植松 宏 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80100957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸原 玄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00396954)
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Keywords | 口腔ケア / NK活性 / 免疫機能 / ガン患者 / 口腔内細菌 |
Research Abstract |
口腔ケアの重要性が言われながら、口腔ケアの実践によって何が変化し、誤嚥性肺炎の予防に繋がるか明らかでない。口腔ケアが有効である真の要因がつかめれば、誤嚥性肺炎をより的確に予防する方策が見つかり、今後より効果的な対処策をとることができるであろう。今回は口腔ケアによる免疫機能の向上があるかを仮説として研究を実施した。都内の総合病院に入院し、ガンのため外科手術を受ける患者を対象とした。患者の了解が得られ、かつ担当医の了解が得られること。さらに、口腔ケアが患者にとって不利な状況に繋がることがないと判断されるケースに限った。そして対象者をランダムに対照群と口腔ケア実施群に振り分けた。あらかじめ十分な説明を行い文書による同意を得た。 その結果、口腔内細菌数は対照群では術前値が1.56×10^8±2.74×10^8CFU、一週間後は5.50×10^7±1.08×10^8CFUで両者の間に有意差はなかった。一方口腔ケア群では術前値が1.33×10^8±2.11×10^8CFU、一週間後は4.29×10^8±9. 8610^7CFUで、有意な変化はみられなかった。 NK活性について、対照群では術前値が0.175±0.088、1週間後の値は0.105±0.105で、1週間後は有意にNK活性が低下した(p=0.05)。しかし、口腔ケアを行った群では術前値が0.143±0.147で、1週間後の値は0.150±0.099で、有意差はみられなかった。 ガンで手術を受ける患者に口腔ケアを実施してもしなくても、口腔内細菌の様相には変化が認められなかった。しかし、口腔ケアを実施しない癌患者さんではNK活性が低下するが、口腔ケアを実施することによって、その低下を防止できることが明らかとなった。NK活性自体、癌細胞を消滅させる働きがあるので、NK活性が低下しないことは意義が大きい。
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