Research Abstract |
歯肉溝滲出液(GCF)中の炎症性物質とメタボリックシンドローム(MS)との関連性を調べた。事業所従業員536名からGCFを採取し,ラクトフェリン(Lf),α1-アンチトリプシン(AT),ヘモグロビン(Hb),エgA,アスパルテートアミノトランスフェラーゼ(AST),アルカリフォスファターゼ(ALP),乳酸脱水素酵素(LDH)について定量的分析を行い,陽性、陰性の判定を行なった。MS所見者は所見なしの者よりAT,Lf,IgA,ASTが有意に多く(P<0.05),同様に,腹囲所見ではLf,Hb,工gA,脂質所見ではLf,工gA,AST,LDH,血糖所見ではlgAの炎症性物質に有意差が認められた。MS所見とLf(性,年齢層,喫煙調整オッズ比,95%信頼区間:2.6,1.3-5.3)および工gA(2.0,1.2-3.5)の判定,腹囲とLf(3.4,1.6-7.0)の判定,血糖とHb(2.2,1.0-4.7)およびlgA(2.0,1.1-3.5)の判定との関係も有意であった。以上のことから,GCF中の炎症性物質とMSとの関連性が示され,歯周組織の炎症応答とMSとの関連性が示唆された。先行研究では,GCF炎症検査の判定が,個人の口腔状況,自覚症状、栄養、運動に係る生活習慣(ライフスタイル因子)と独立した関係があることから,GCF炎症検査が,歯周病の支援的治療に係る定期受診のための行動変容およびMS予防のための治療と予防のための行動変容の2つの特徴をもつ新しいタイプの歯科検査技術であることが示唆された。一方,歯肉メラニン色)沈着提示の効果については,歯科臨床における先行介入研究データの詳細な分析を行った結果,248名の使用頻度は32%と16テーマのうち最も高く,女性,若年者に用いられた。しかし,禁煙意志の進歩割合は16テーマのうち13番目だった。
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