2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔の兆候の認知は生活習慣病予防のための行動変容とその維持に役立つか?
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19659558
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
埴岡 隆 Fukuoka Dental College, 歯学部, 教授 (00144501)
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Keywords | 歯周病 / メタボリックシンドローム / 生化学検査 / 健康支援 / 歯肉溝滲出液 / 歯肉メラニン色素沈着 / 喫煙 / 禁煙支援 |
Research Abstract |
歯肉溝滲出液は様々な炎症性物質を含んでいる。研究者らは職域健診時に滲出液を簡便に採取し検査センターで分析した結果を血液・尿検査結果等と併せて受診者に知らせる健診システムを確立した。これまでの研究では、滲出液検査は動機付け教育と早期発見を目的としたポイントオブケア検査とスクリーニング検査の特性を併せ持つことや口腔の炎症物質がメタボリックシンドローム判定と関連することが判明している。最近、メタボリックシンドロームの病因論において炎症の概念が注目されだしたことから、本研究では、歯科領域における炎症概念の普及性を探るため、滲出液検査を基盤とした歯周病予防教育プログラムを開発し実行可能性研究を行った。(1)福岡市内の歯科医院受診患者に予防教育プログラムを実施し、滲出液検査項目を血管・免疫・組織破壊に分類したところ、患者毎に炎症応答パターンが異なることが判明した。質問紙調査では、歯周病に関して炎症イメージが医療者・患者ともに高く、メタボリックシンドロームに関しては病態イメージが中心だった。(2)保健福祉センターでは、特定健診受診者に予防教育プログラムを実施し滲出液検査結果を郵送で通知した。特定保健指導対象者の56%が滲出液検査を再受診し87%(全体では48%)が検査の継続を希望した。歯科患者と健診受診者とでは検査結果の分布は有意に異なり、口腔の炎症状況が両集団で異なることが確認された。以上のことから、口腔の炎症評価は、メタボリックシンドロームの理解につながり特定保健指導の効果にも寄与する可能性が示唆された。また、炎症評価のための歯周病検査に関する応用研究の必要性が示された。
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Research Products
(10 results)