2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポストゲノム時代に対応する歯周病診断ペプチドアレイの構築
Project/Area Number |
19659559
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
泉福 英信 National Institute of Infectious Diseases, 細菌第一部, 室長 (20250186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志牟田 健 国立感染症研究所, 細菌第一部, 研究員 (40370960)
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Keywords | Streptococcus gordonii / Porphyromonas gingivalis / Fusobacterium nucleatum / ペプチドアレイ / 歯周病 / バイオフィルム / 唾液 / 検査 |
Research Abstract |
S.gordoniiの表層蛋白質SspAとSspBの共通領域のアミノ酸を1つリジンに置換したSspB390-T400K-402ペプチドを利用した歯周病関連菌を検出するペプチドアレイを構築するために基礎的なデータの検討を行った。このペプチドの様々な歯周病菌株との結合性を検討すると、Porphyromonas gingivalis3菌株のうちATCC33277とFusobacterium nucleatum2菌株(#20,ATCC23726においてその結合が認められ、Aggregatibacter actinomycetemcomitans3菌株とは結合性が認められなかった。これは、この結合が菌種と菌株特異性のあることを示している。またこの結合は、唾液や唾液成分の一つであるアグルチニンペプチドSRCRP2により競合阻害されることが明らかとなった。 これは、ペプチドが結合する菌表層の部分と唾液が結合する部分が一致していることを示し、唾液によりS.gordoniiとP.gingivalisどの歯周病菌とペプチドの結合が抑制されることを示唆している。さらにアミノ酸残基393のアラニンをリジンに置換すると、そのペプチドを作用させた際に唾液成分と菌との結合を競合阻害する傾向が390-T400K-402ペプチドよりも強くなることも明らかとなった。これは、1箇所のリジン置換よりも2箇所のリジン置換の方が、結合性が高まることを示している。またアミノ酸残基393で置換されたリジンは、αヘリックス構造上残基400のリジンと同方向で直線上に並んでいた。このような構造が安定した結合を導くため機能するのかもしれない。今後、これらのペプチドを利用したペプチドアレイの臨床応用への検討を行う予定である。
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Research Products
(3 results)